詩篇の翻案(第4分冊 詩篇91〜120篇)

神学

第4分冊 詩篇91〜120篇


詩篇91篇 夜の恐れも昼の矢も

いと高き方の陰に宿る者への守りの約束が、夜と昼の災いを次々に挙げ、苦難のとき共にいるという神自身の言葉へ移る。

四行詩

いと高き方の陰に宿り、主こそ私の砦と言う
夜の恐れも昼の矢も、闇を歩む疫病も恐れない
千人が傍らに倒れても、それはあなたに近づかない
呼べば答え、苦難の中で共にいる、と主は言う

この篇の言葉

全能者の陰 夜の恐れ 昼に飛ぶ矢 獅子と蛇 苦難のとき

声の動き

陰に宿る告白 → 夜と昼の災い → 苦難の中の伴い

読むときの手がかり

災いが近づかないという約束(7・10節)は、信じれば苦しまないという保証ではない。神自身の言葉は「苦難のとき共にいる」(15節)と、苦難が来ることを前提に語る。

原典 World English Bible 詩篇91篇1〜16節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。真昼の陰に膝をつく、夜の霧を外套にくるまって見張る、獅子と蛇のそばの石へ踏み出す、霧と矢の残る夕暮れに地平へ呼ぶ。神の姿、翼、天使、倒れた人々は描かない。文字は入れない。

① 主は私の避け所、私の砦。
② 夜の恐れも、昼に飛ぶ矢も恐れない。
③ 獅子と蛇を踏み、足を石に打ちつけない。
④ 「呼べば答える。苦難のとき共にいる」と主は言う。

原典 World English Bible 詩篇91篇1〜16節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇92篇 老いてなお青々と

朝に慈しみ、夜にまことを琴に乗せて歌う安息日の歌。草のように萌える悪を見ても、主の庭に植えられた木は老いて実を結ぶ。

四行詩

朝に慈しみを、夜ごとにまことを、琴に合わせて告げる
悪しき者は草のように萌えても滅び、主はとこしえに高い
正しい者はなつめやしのように茂り、主の庭に植えられる
老いてなお実を結び青々と、主は私の岩と告げる

この篇の言葉

朝の慈しみ 夜のまこと 萌え出る草 なつめやし 老いてなお

声の動き

朝夕の賛美 → 萌える草と高い主 → 老いて実る木

読むときの手がかり

悪しき者が栄えて見えることを本文は否定せず、草のように萌えると認める。そのうえで、長い時をかけて実を結ぶ木を対に置く。滅びの場面は絵に描かず、枯れ始める草にとどめた。

原典 World English Bible 詩篇92篇1〜15節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。仕事を休む朝に琴を弾く、穂先の枯れ始めた草の野を見渡す、夜の丘で油のつやを帯びて立つ、神の家の庭で古いなつめやしの実に手を添える。滅びる人や角は描かない。文字は入れない。

① 朝に慈しみを、夜にまことを歌う。
② 悪は草のように萌えても、滅びる。
③ 敵が立っても、あなたは私の角を高く上げた。
④ 老いてなお実を結ぶ。主は私の岩。

原典 World English Bible 詩篇92篇1〜15節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇93篇 大水が声をあげても

威光をまとう王と揺るがない世界を告げたあと、大水が三度声をあげる。その轟きにまさる主と堅い定めを歌う、五節だけの詩。

四行詩

主は王、威光をまとい、世界は揺るがない
大水は声をあげ、大水は波をとどろかせる
多くの水の声にまさり、高みの主は力強い
あなたの定めは堅く、聖なることが家を飾る

この篇の言葉

威光の衣 揺るがない世界 大水の声 砕け波 聖なる家

声の動き

王の衣 → 大水の声 → 声にまさる主

読むときの手がかり

大水の轟きは静まったとは書かれず、主はそれに「まさる」と歌われる。漫画でも嵐を最後までやませず、波に洗われても動かない足場で確かさを示した。

原典 World English Bible 詩篇93篇1〜5節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。凪の海辺の古い礎石に立つ、嵐の波しぶきの中で礎石にしがみつく、砕け波の上の高い空へ目を移す、嵐の中で礎石を踏みしめ轟きを聞く。神の姿や静まる海は描かない。文字は入れない。

① 主は王。世界は揺るがない。
② 大水が声をあげる、声をあげる。
③ 多くの水の声より、高みの主は力強い。
④ あなたの定めは堅い。聖なることが家を飾る。

原典 World English Bible 詩篇93篇1〜5節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇94篇 耳を植えた方は聞かないか

内容注記 6節に、寡婦や旅人や孤児が殺されるという言葉がある。絵には描かない。

報復の神に輝き出よと叫び、弱い者を殺して「主は見ない」と言う者に、耳を植えた方が聞かないはずがあるかと問い返す。

四行詩

報復の神よ、輝き出よ、悪しき者はいつまで勝ち誇るのか
寡婦と旅人と孤児を殺し、「主は見ない」と彼らは言う
耳を植えた方が聞かず、目を造った方が見ないのか
足が滑ると言ったとき、あなたの慈しみが私を支えた

この篇の言葉

報復の神 いつまで 主は見ない 耳を植えた方 高い塔

声の動き

報復の神への叫び → 耳と目の問い返し → 支えられた足

読むときの手がかり

報復を願う言葉は、寡婦や旅人を殺す者への訴えから出ている。語り手は自分で手を下さず、裁きを神に委ねる。悪が断たれるのは本文でも未来のことで、絵には描かない。

原典 World English Bible 詩篇94篇1〜23節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。門の外で拳を握り叫ぶ、路地で弱い者をあざける者に立ちすくむ、耳と目に触れて問い返す、夜の岩場から悪の座を見下ろす。殺害、子ども、罰の場面は描かない。文字は入れない。

① 報復の神よ、輝き出てください。
② 「主は見ない」と彼らは言う。
③ 耳を植えた方が、聞かないのか。
④ 「足が滑る」と言ったとき、慈しみが支えた。

原典 World English Bible 詩篇94篇1〜23節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇95篇 心をかたくなにするな

救いの岩へ歌おうと招き、ひざまずいた牧場の民に、主の声がメリバの日を思い出させ、安息に入れなかった世代への誓いを突きつける。

四行詩

さあ歌おう、救いの岩、神々にまさる大いなる王に
ひざまずこう、私たちはその牧場の民、その羊
今日こそ声を聞いてほしい、メリバのように心をかたくなにするな
主は四十年嘆き、誓った、「彼らは私の安息に入らない」

この篇の言葉

救いの岩 牧場の羊 今日 メリバ 安息

声の動き

歌とひざまずきへの招き → 今日という呼びかけ → 安息に入れない誓い

読むときの手がかり

喜ばしい招きが、後半で主自身の警告に変わる。歌って礼拝する民にこそ「心をかたくなにするな」と語られる。安息に入れないという誓いで終わり、和らげる結びは置かれていない。

原典 World English Bible 詩篇95篇1〜11節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の仲間。谷の縁の道を歌って歩く、草地にひざまずく、乾いた流れの跡の前で耳を澄ます、輪を描く足跡の中から遠い緑の丘を見つめる。水が湧く奇跡や安息に入る場面は描かない。文字は入れない。

① さあ、救いの岩に向かって歌おう。
② ひざまずこう。私たちは牧場の羊。
③ 今日、聞いてほしい。メリバのように心をかたくなにするな。
④ 「彼らは安息に入らない」と主は誓った。

原典 World English Bible 詩篇95篇1〜11節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇96篇 諸国の中で告げよ

新しい歌を全地に呼びかけ、神々は偶像にすぎないと諸国の中で告げる。声は広がり、森の木々までが、地を裁きに来る主の前で喜び歌う。

四行詩

主に新しい歌を歌え、全地よ、日ごとに救いを告げよ
民の神々は偶像にすぎず、主は天を造った
諸国の家々よ、栄光と力を主に帰せ、主は王と告げよ
野は躍り、森の木々は歌う、主が地を裁きに来る

この篇の言葉

新しい歌 日ごとに 諸国の中で 主は王 森の木々

声の動き

全地への新しい歌 → 諸国への告知 → 森の歓呼

読むときの手がかり

ここでの「裁き」は恐れより喜びの理由として歌われ、森の木々まで歓声をあげる。98篇と言葉がよく重なるが、96篇は神々を偶像と言い切り、諸国の家々に供え物を携えて主の庭へ来いと呼びかける。

原典 World English Bible 詩篇96篇1〜13節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。村の広場で歌い始める、捨て置かれた素焼きの小像のそばを通り過ぎる、隊商の宿営で旅人に語る、風になびく森で腕を広げる。来る方の姿や実在の宗教の像は描かない。文字は入れない。

① 主に新しい歌を。日ごとに救いを告げよう。
② 神々は偶像にすぎない。主は天を造った。
③ 諸国の中で言おう、主は王と。
④ 森の木々も歌う。主が地を裁きに来る。

原典 World English Bible 詩篇96篇1〜13節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇97篇 雲と暗闇、蒔かれた光

雲と暗闇に囲まれた王の前を火が進み、山々は蝋のように溶ける。恐ろしい現れを語る声が、正しい者に光が種のように蒔かれるという約束へ移る。

四行詩

主は王、島々よ喜べ、雲と暗闇がその周りにある
火が前を行き、稲妻は世界を照らし、山は蝋のように溶ける
シオンは聞いて喜ぶ、主を愛する者よ、悪を憎め
正しい者には光が、心の直ぐな者には喜びが蒔かれる

この篇の言葉

雲と暗闇 火と稲妻 蝋のような山 シオンの喜び 蒔かれた光

声の動き

雲と火の現れ → シオンの喜び → 蒔かれた光

読むときの手がかり

7節には刻んだ像に仕える者が恥を受けよという言葉もあるが、絵には描かない。敵を焼く火(3節)も地平の火の線にとどめた。「光が蒔かれる」は芽吹きを待つ種の像として読める。

原典 World English Bible 詩篇97篇1〜12節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。地平を覆う黒雲を見上げる、稲妻と溶ける山の前に立ち尽くす、城壁の上で喜ぶ女たちを見つめる、雲の下から差す光が斜面に散らばるのを道の途中で見渡す。焼かれる人や天からの光線は描かない。文字は入れない。

① 主は王。雲と暗闇がその周りに。
② 稲妻が世界を照らし、山は蝋のように溶ける。
③ シオンは聞いて喜ぶ。主は聖徒のいのちを守る。
④ 正しい者に光が蒔かれる。主に感謝を。

原典 World English Bible 詩篇97篇1〜12節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇98篇 川よ、手を打ち鳴らせ

右の手と聖なる腕の救いと、イスラエルの家への慈しみを新しい歌で告げると、竪琴と角笛が鳴り、海がとどろき、川は手を打ち、山々は声を合わせる。

四行詩

主に新しい歌を、その右の手と聖なる腕が救いを成した
イスラエルの家への慈しみを覚え、地の果てまでが救いを見た
竪琴に合わせ、ラッパと角笛で、王の前に喜び叫べ
海はとどろけ、川は手を打て、山々は共に喜び歌え

この篇の言葉

新しい歌 右の手と聖なる腕 角笛 川の手拍子 山々の歌

声の動き

右の手の救い → 楽器の歓声 → 海と川と山の歌

読むときの手がかり

96篇と言葉がよく重なるが、98篇は救いを「右の手と聖なる腕」の働きとして語り、イスラエルへの慈しみを覚えたことを先に置く。歓声の担い手は、楽器の音から海・川・山へと移っていく。

原典 World English Bible 詩篇98篇1〜9節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。湧き水に手をひたして歌い出す、川岸の村で角笛と竪琴に合わせて歌う、河口でとどろく海に叫ぶ、早瀬のしぶきに合わせて手を打つ。神の姿や空からの手は描かない。文字は入れない。

① 主に新しい歌を。右の手が救いを成した。
② 竪琴と角笛で、王の前に喜び叫べ。
③ 海よ、とどろけ。世界とそこに住む者も。
④ 川よ手を打て、山々よ共に歌え。

原典 World English Bible 詩篇98篇1〜9節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇99篇 聖なる方、と三たび

「聖なる方」の句を三度くり返して礼拝を呼びかけ、その間に、モーセ、アロン、サムエルが呼ぶと答え、赦しつつ罰した神の記憶を置く。

四行詩

主は王、民はおののけ、地は揺れよ、主は聖なる方
正義を愛する王の足台のもとにひれ伏せ、聖なる方
モーセ、アロン、サムエルに主は答え、赦しつつ行いを罰した
聖なる山で拝め、私たちの神、主は聖なる方

この篇の言葉

聖なる方 足台 モーセとアロンとサムエル 雲の柱 赦しつつ罰する

声の動き

おののく民 → 呼べば答えた記憶 → 聖なる山での礼拝

読むときの手がかり

8節は、赦す神と、行いを罰する神を一つの文に並べる。どちらかに寄せず両方を残した。ケルビムの上の座は描かず、雲に隠れた頂や上端の見えない石段で、高みにいる方を示した。

原典 World English Bible 詩篇99篇1〜9節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の礼拝者。震える村の広場で身を寄せ合う、上端の見えない石段の最下段にひれ伏す、遠い雲の柱の前で呼ぶ三人を見つめる、雲に隠れた丘への道で深く身をかがめる。神の座、ケルビム、光る雲は描かない。文字は入れない。

① 主は王。民はおののけ、地は揺れよ。
② 足台のもとにひれ伏そう。聖なる方。
③ モーセ、アロン、サムエルが呼ぶと、主は答えた。
④ 聖なる山でひれ伏そう。主は聖なる方。

原典 World English Bible 詩篇99篇1〜9節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇100篇 造られた私たちは主のもの

造られた者として主のものだと知る民が、喜びの叫びをあげ、感謝しつつ門をくぐって庭へ入っていく。その歩みが代々へつながる。

四行詩

全地よ主に喜び叫べ、喜んで仕え、歌って御前へ
主こそ神と知れ、主が私たちを造り、私たちは主のもの
その民、その牧場の羊よ、感謝して門に入れ
主は恵み深く、慈しみはとこしえに、まことは代々に

この篇の言葉

喜びの叫び 喜んで仕える 主のもの 牧場の羊 代々のまこと

声の動き

全地への呼びかけ → 主のものという告白 → 代々への感謝

読むときの手がかり

「主は神」と知ることが、「私たちは主に造られ、主のもの」という告白と結びついている。95篇と同じ「牧場の羊」の像を持つが、100篇には警告がなく、感謝と賛美の招きだけが続く。

原典 World English Bible 詩篇100篇1〜5節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と仲間。散らばる野の人々が同じ方へ喜び叫ぶ、水がめと籠を運びながら歌う、羊の群れの中を並んで歩く、庭で老いた人と若い人と初物の籠を持ち感謝する。神の姿や羊飼いは描かない。文字は入れない。

① 全地よ、主に向かって喜び叫べ。
② 喜んで仕え、歌いながら御前へ。
③ 主が造り、私たちは主のもの。牧場の羊。
④ 主は恵み深く、まことは代々に。

原典 World English Bible 詩篇100篇1〜5節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇101篇 いつ来るのかと問う誓い

慈しみと公正を歌い、「いつ来るのか」と問いながら家の内を歩む。陰のそしりを退け、朝ごとに地の悪を断つと誓う治める者の言葉。

四行詩

慈しみと公正を歌う。主よ、あなたにほめ歌う
いつ私のもとに来るのか。家の内を全き心で歩む
卑しいものを目の前に置かず、陰で隣人をそしる者を黙らせる
朝ごとに地の悪しき者を断ち、主の都から不正を行う者を断つ

この篇の言葉

慈しみと公正 いつ来るのか 家の内 地の忠実な者 朝ごとに

声の動き

歌と問い → 家の内の誓い → 朝ごとの裁き

読むときの手がかり

誓いの列は、2節の「いつ来るのか」という問いと並んで置かれている。8節の厳しい言葉は和らげずに残したが、裁きの場面は描かない。現代の権力の行使に重ねて読まない。

原典 World English Bible 詩篇101篇1〜8節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。夜明け前に灯を手に家の内を歩く、耳元のささやきを手で制する、農夫たちと同じ食卓で耳を傾ける、灰色の朝の広場で灯を石の腰掛けに置く。裁きの場面や冠は描かない。文字は入れない。

① いつ来てくださるのか。家の内を全き心で歩む。
② 陰で隣人をそしる口を、私は黙らせる。
③ 地の忠実な者を、私と共に住まわせる。
④ 朝ごとに地の悪しき者を断つ。主の都から。

原典 World English Bible 詩篇101篇1〜8節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇102篇 屋根の雀と、尽きない年

煙のように消える日々、屋根にひとりいる雀のような孤独。投げ捨てられたと訴える者が、衣のように古びる天と変わらない神とを並べて見る。

四行詩

顔を隠さないで。私の日々は煙のように消える
私は荒野のペリカン、屋根にひとりいる雀のよう
あなたが私を投げ捨てた。日の半ばで取り去らないで
天は衣のように古びる。だがあなたの年は尽きない

この篇の言葉

煙のような日々 屋根の雀 灰のパン 衣のように古びる 尽きない年

声の動き

衰えの訴え → あなたはとこしえ → 日の半ばの願い

読むときの手がかり

衰えの原因を語り手は神に向けて語る。それでも主はシオンを憐れみ、囚われ人のうめきを聞くと言う(13〜20節)。語り手の癒やしは書かれず、希望はしもべの子孫に置かれる。

原典 World English Bible 詩篇102篇1〜28節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。消えかけた炉の煙のそばにうずくまる、夜の屋根で雀と並んで眠れずにいる、崩れた石積みの石の塵を払う、風の野ですり切れた外套を広げて見つめる。治癒や再建、神の姿は描かない。文字は入れない。

① 顔を隠さないで。日々は煙のように消える。
② 屋根の雀のよう。あなたが私を投げ捨てた。
③ しかし主よ、あなたはとこしえ。
④ 天は衣のように古びる。あなたは変わらない。

原典 World English Bible 詩篇102篇1〜28節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇103篇 東が西から遠いほど

魂に「主をほめよ、恵みを忘れるな」と命じ、赦しと憐れみを数える。人は塵で草のようでも慈しみはとこしえだと歌い、再び魂へ呼びかける。

四行詩

わが魂よ、主をほめよ。その恵みを一つも忘れるな
東が西から遠いほど、主は私たちの背きを遠ざけた
主は私たちが塵だと覚えている。人の日は野の花
御使いよ、すべてのわざよ、主をほめよ。わが魂よ

この篇の言葉

わが魂よ 恵みを忘れるな 東と西 塵 野の花

声の動き

魂への呼びかけ → 赦しと人のはかなさ → すべてのわざから再び魂へ

読むときの手がかり

「わが魂よ、主をほめよ」は自分に向けた命令で、冒頭と結びに置かれている。人が塵で草のようだという言葉は、嘆きではなく、主が憐れむ理由として語られる。

原典 World English Bible 詩篇103篇1〜22節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。朝の野で指を折って恵みを数える、崖の下で鷲を背に背筋を伸ばす、風の草地で手のひらの花びらが飛ぶ、東西の地平が入る広い野の中央で再び指を折る。御使いや王座、神の姿は描かない。文字は入れない。

① わが魂よ、主をほめよ。恵みを忘れるな。
② 罪を赦し、病を癒やし、若さを鷲のように。
③ 父のように憐れみ、塵だと覚えている。
④ すべてのわざよ、主をほめよ。わが魂よ。

原典 World English Bible 詩篇103篇1〜22節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇104篇 あなたが手を開くとき

光をまとう方が谷に泉を送り、獣も鳥も人も海の生きものも、みな糧を待つ。手を開けば満ち、顔を隠せばおののく。語り手は生きる限り歌うと言う。

四行詩

わが魂よ、主をほめよ。あなたは光を衣のようにまとう
谷に泉を送り、野ろばは飲み、鳥は枝の間で歌う
みなあなたを待つ。手を開けば満ち、顔を隠せばおののく
生きる限り私は歌う。罪人は地から消えよ。魂よ、ほめよ

この篇の言葉

光の衣 谷の泉 夕べまで働く レビヤタン みなあなたを待つ

声の動き

光をまとう方 → 泉と夜と朝と海 → 待ち望む命と歌

読むときの手がかり

創造の列挙は、すべての命が神の手と顔に頼るという27〜30節に集まる。息を取り去れば塵に帰る、とも語られる。35節の罪人が消えるようにという願いは省かず四行詩に残した。

原典 World English Bible 詩篇104篇1〜35節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。風の丘で流れる雲と引く水を見渡す、谷の泉で野ろばと並んで水をすくう、沈む月の下で鍬をかついで畑へ出る、夕方の浜辺で海鳥と並んで戯れる海の生きものを見つめる。神の姿や怪物、罰の場面は描かない。文字は入れない。

① わが魂よ、主をほめよ。光をまとう方を。
② 谷に泉を送り、野ろばは渇きをいやす。
③ 獅子は穴に帰り、人は夕べまで働きに出る。
④ みなあなたを待つ。生きる限り私は歌う。

原典 World English Bible 詩篇104篇1〜35節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇105篇 数わずかな旅人のころ

数わずかな旅人だった民との約束を、主は千代に覚えている。ヨセフの足かせ、荒野のパンと岩の水を経て、歌とともに導き出された民を語る。

四行詩

主に感謝し、その名を呼べ。驚くべきわざを覚えよ
数わずかな旅人のころから、主は約束を千代に覚えている
ヨセフは売られ、足はかせに。主の言葉が彼を確かにした
岩を開いて水を流し、民を喜びの歌とともに導き出した

この篇の言葉

数わずかな旅人 千代の約束 ヨセフの足かせ 天のパン 岩の水

声の動き

感謝の呼びかけ → 旅とヨセフ → 荒野から地へ

読むときの手がかり

主がエジプトに災いを送り、初子を打ったことも本文は列挙する(27〜36節)が、絵にも四行詩にも入れなかった。諸国の地を与えた(44節)は、現代の土地の争いに重ねて読まない。

原典 World English Bible 詩篇105篇1〜45節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の旅人。異国の町の下を荷を積んだろばと行き仲間に呼びかける、牢の床でかせをはめられた足、夜明けの荒野で白い粒を拾い集める、新しい畑にぶどうの若木を植える。災いや征服、神の姿は描かない。文字は入れない。

① 主に感謝せよ。わずかな旅人のころから。
② 足はかせに。主の言葉が彼を確かにした。
③ 天のパンで満たし、岩から水が流れた。
④ 主は約束を覚えていた。掟を守るために。

原典 World English Bible 詩篇105篇1〜45節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇106篇 父祖と共に罪を犯した

内容注記 37〜38節に、息子や娘をいけにえにし血を流した告白がある。絵には描かない。

父祖の背きを自分たちの罪として告白する歴史の歌。栄光を牛の像と取り替え、すぐ忘れた民の叫びを主は聞いた。散らされた中から集めてと願う。

四行詩

私たちは父祖と共に罪を犯し、あなたの慈しみを忘れた
栄光を、草を食む牛の像と取り替えた
主は怒って国々に渡し、それでも叫びを聞いて契約を覚えた
主よ、私たちを救い、国々の中から集めてください

この篇の言葉

父祖と共に 牛の像 破れ口 叫びを聞く 国々から集めて

声の動き

告白 → 繰り返す背き → 集めてという願い

読むときの手がかり

105篇と対になり、同じ歴史を民の背きの側から語る。47節の願いで終わり、集められたとは書かれない。48節の頌栄は第4巻全体を結ぶ。

原典 World English Bible 詩篇106篇1〜48節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の人々。夕暮れに身を寄せ合い顔を覆って告白する、野営地の牛の像から離れて立つ、石垣の破れ口に立つ一人の背を見つめる、仲間と手を握り合ってひざまずき散らばる遠い群れを見やって願う。子どもやいけにえ、裁きの場面、神の姿は描かない。文字は入れない。

① 私たちは父祖と共に罪を犯した。
② 栄光を、草を食む牛の像と取り替えた。
③ モーセが破れ口に立ち、怒りをとどめた。
④ それでも主は叫びを聞いた。救って、集めてください。

原典 World English Bible 詩篇106篇1〜48節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇107篇 四たびの叫びと感謝

荒野、闇の鎖、死の門に近い病、嵐の海。四つの苦境の人々が苦しみの中で主に叫び、救い出されるたびに「その慈しみを主に感謝せよ」と繰り返される。

四行詩

主に感謝せよ。主は恵み深く、慈しみはとこしえ
荒野にさまよい、闇に縛られ、死の門に近づき、海でよろめく
苦しみの中で主に叫ぶと、主は彼らを苦しみから救い出す
その慈しみを主に感謝させよ。知恵ある者は心に留めよ

この篇の言葉

東西南北 町のない荒野 断たれた鎖 望みの港 慈しみに感謝

声の動き

贖われた者への呼びかけ → 四つの苦境と叫び → 知恵ある者への結び

読むときの手がかり

本文は闇の鎖と病の原因を背きに帰し、嵐の風を起こすのも主だと言う(25節)。苦しみをすべて罪の結果と読む必要はない。絵は救い出された後の姿だが、本文は飢え、倒れ、よろめく苦境を語る。

原典 World English Bible 詩篇107篇1〜43節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物、同じ構図。砂丘を背にまっすぐな道の起点で、開いた牢の門の前で、空の病床の脇で、凪いだ港の岸で、両手を体の横で軽く開き、少しうつむいて静かに安堵してほほえむ。救う者の姿や神の姿は描かない。文字は入れない。

① 町もなくさまよい、叫ぶと、まっすぐな道へ。
② 闇に縛られ、叫ぶと、鎖は断たれた。
③ 死の門に近づき、叫ぶと、言葉が癒やす。
④ 嵐を静めて港へ。慈しみを主に感謝させよ。

原典 World English Bible 詩篇107篇1〜43節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇108篇 先に歌い、それから問う

57篇の目覚めの賛美と60篇の宣言をつなぎ、嘆きを経ずに「心は揺るがない」と歌い始める。賛美の後にも「捨てたのではないか」の問いだけは残る。

四行詩

神よ、心は揺るがない。目覚めよ、私が夜明けを起こす
慈しみは天を越え、まことは空に届く。国々の中で歌う
神は聖所から語った、エフライムは私の兜、ユダは私の笏
捨てたのではないか。敵に向かう助けを。神によって力をふるう

この篇の言葉

揺るがない心 夜明けを起こす 兜と笏 捨てたのか 敵に向かう助け

声の動き

先に歌う → 聖所からの宣言 → 問いと出立

読むときの手がかり

前半は57篇の後半、後半は60篇の後半とほぼ同じ言葉。二つの篇の嘆きの部分を除いて継いだため、賛美が先に来る。エドムなどを現代の民族や国家に重ねない。勝利は描かない。

原典 World English Bible 詩篇108篇1〜13節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の仲間。夜の丘で眠る仲間の間に立って歌う、川の渡し場で岸の石に腰掛けて歌う、明け方の斜面で区切られた畑々を見渡す、丘への道でサンダルの紐を結ぶ。楽器や戦い、神の姿は描かない。文字は入れない。

① 心は揺るがない。私が夜明けを起こす。
② 国々の中で、あなたに感謝し、ほめ歌う。
③ 神は聖所から語った、ユダは私の笏。
④ 神よ、捨てたのではないか。神によって力をふるう。

原典 World English Bible 詩篇108篇1〜13節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇109篇 呪っても、あなたは祝福する

内容注記 6〜19節に、相手の子や妻にまで及ぶ激しい呪いがある。言葉は隠さず、絵には描かない。

愛を敵意で返されても祈る者の篇に、子や妻にまで及ぶ長い呪いが連なる。夕べの影のように消えかけながら、彼らが呪ってもあなたは祝福すると言う。

四行詩

賛美の神よ、黙らないで。愛に代えて敵意を受け、私は祈る
「その子は父なく、妻はやもめに」と呪いの言葉は続く
私は夕べの影のように去り、いなごのように払い落とされる
彼らが呪っても、あなたは祝福する。主は貧しい者の右に立つ

この篇の言葉

愛に代えて敵意 右に立つ告発者 呪いの衣 夕べの影 貧しい者の右

声の動き

偽りの訴えと祈り → 長い呪い → 祝福への頼り

読むときの手がかり

6〜19節の呪いは語り手の言葉とも敵の言葉の引用とも読まれ、四行詩ではかぎ括弧に入れた。ただし20・29節では語り手自身も訴える者の恥を願う。

原典 World English Bible 詩篇109篇1〜31節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。ささやく輪郭に囲まれてひざまずいて祈る、夜の部屋で拳を額に押し当てる、夕方の石垣に寄りかかり袖からいなごが飛ぶ、昼の道で右側に余白を空けてまっすぐ立つ。呪いの内容や子ども、神の姿は描かない。文字は入れない。

① 愛に代えて敵意を。それでも祈る。
② 「子は父なく、妻はやもめに」と呪いは続く。
③ 夕べの影のように去り、いなごのように払われる。
④ 彼らが呪っても、あなたは祝福する。

原典 World English Bible 詩篇109篇1〜31節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇110篇 わが右に座れ

「わが右に座れ」と王に告げる主の言葉。シオンから力の杖が伸び、主は誓ってとこしえの祭司とする。戦いの言葉のあと、王は道の小川で水を飲む。

四行詩

主はわが主に言う。わが右に座れ、敵を足台とするまで
力の杖をシオンから伸ばす。朝の胎から、あなたに若さの露
主は誓って思い直さない。メルキゼデクの位のとこしえの祭司
主は右にいて王たちを砕く。道の小川で飲み、頭を上げる

この篇の言葉

わが右に座れ 力の杖 朝の露 とこしえの祭司 道の小川

声の動き

主の託宣 → 王であり祭司 → 道の途中の水

読むときの手がかり

王に向けた託宣として読む。新約聖書がキリストに当てて読むのは後代の読み。5〜6節には王たちを砕き死体を積む戦いの言葉があるが、絵には描かない。

原典 World English Bible 詩篇110篇1〜7節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の人々、顔を見せない王。夜の中庭でひざまずいて託宣を聞く、露の丘で杖を持つ王のもとへ人々が上る、杖を岩に立てかけて立つ王を祭壇の煙を遠くに見守る、道の小川から立ち上がって頭を上げる王を待つ。戦いや死体、神の姿は描かない。文字は入れない。

① 主はわが主に言う、わが右に座れ。
② 朝の胎から、若さの露があなたに。
③ あなたはとこしえの祭司、と主は誓った。
④ 道の小川で飲み、頭を上げる。

原典 World English Bible 詩篇110篇1〜7節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇111篇 喜ぶ者が思い巡らすわざ

会衆の中で心を尽くして感謝し、主のわざの大きさを一つずつ数え上げて、主を畏れることが知恵のはじめだと言い切る。

四行詩

正しい者の集いで、心を尽くして主に感謝する
主のわざは大きく、喜ぶ者はそれを思い巡らす
主は畏れる者に糧を与え、契約をとこしえに覚える
主を畏れることは知恵のはじめ、主の誉れはとこしえに

この篇の言葉

心を尽くした感謝 思い巡らす 糧 契約 知恵のはじめ

声の動き

会衆での感謝 → わざを数え上げる → 畏れと知恵

読むときの手がかり

112篇と対になるアルファベット詩で、「その義はとこしえに」などの句を分け合う。6節は、民に諸国の嗣業を与えたことも主のわざに数える。絵にはせず、現代の土地の争いに重ねて読まない。

原典 World English Bible 詩篇111篇1〜10節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の人々。中庭で感謝を語る、麦の穂に見入る、刈り入れの束を抱えて家路につく、夕方の中庭で穂を両手に包んで目を伏せる。神の姿や天からの食物は描かない。文字は入れない。

① 心を尽くして、主に感謝します。
② 主のわざは大きい。その義はとこしえに。
③ 畏れる者に糧を。契約はとこしえに。
④ 主を畏れることは、知恵のはじめ。

原典 World English Bible 詩篇111篇1〜10節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇112篇 悪い知らせを恐れない心

111篇が数えた主のわざに続き、主を畏れる人を描く。恵んで貸し、貧しい者に与え、悪い知らせにも心は揺るがない。

四行詩

主を畏れ、その戒めを大いに喜ぶ人は幸いだ
闇の中にも光は昇り、その人は恵んで貸す
悪い知らせを恐れず、心は主に信頼して揺るがない
惜しまず貧しい者に与える、悪しき者は苛立ち、その願いは滅びる

この篇の言葉

主を畏れる人 闇に昇る光 恵んで貸す 悪い知らせ 貧しい者に与える

声の動き

戒めを喜ぶ → 揺るがない心 → 与える手と悪しき者

読むときの手がかり

111篇と対のアルファベット詩。主について言われた「その義はとこしえに」が、ここでは主を畏れる人に言われる。富や子孫の約束を成功の保証としては読まず、与える行いを中心に置いた。

原典 World English Bible 詩篇112篇1〜10節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と村の人々。家で戒めを読み喜ぶ、白みかけた朝に穀物を量って貸す、駆けて来る使いの前で落ち着いて立つ、道ばたで貧しい人々と同じ高さにしゃがんで鉢に穀物を注ぐ。悪しき者の結末や富は描かない。文字は入れない。

① 主を畏れ、戒めを喜ぶ人は幸い。
② 闇にも光は昇る。恵んで貸す。
③ 悪い知らせが来ても、心は揺るがない。
④ 惜しまず与える。悪しき者は見て苛立つ。

原典 World English Bible 詩篇112篇1〜10節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇113篇 灰の山から王侯の席へ

天より高い栄光を讃える声が、身をかがめて地を見る主へ移り、灰の山の貧しい者が王侯と座る逆転へ進む。

四行詩

主のしもべよ、日の出から日の入りまで御名を讃えよ
天よりも高く座す方は、身をかがめて地を見る
貧しい者を塵から、乏しい者を灰の山から起こし
王侯と共に座らせ、子のない女を喜ぶ母とする

この篇の言葉

日の出から日の入りまで 高く座す 身をかがめる 灰の山 喜ぶ母

声の動き

しもべへの呼びかけ → 高みからかがむ主 → 低い者を高くする

読むときの手がかり

113〜118篇は「ハレル」と呼ばれる一群で、祭りで歌われてきたと伝えられる(本文外の伝承)。本篇は高さを讃えるだけでなく、その方が低い者へかがむ逆転を歌う。起こす手は描かず、起き上がる姿で示した。

原典 World English Bible 詩篇113篇1〜9節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と人々。朝日に向かって歌う働き手、真上から見下ろす小さな地上と灰の山、灰の山から引き上げられるように身を起こす、王侯の食卓に空けられた席。神の姿や起こす手は描かない。文字は入れない。

① 日の出から日の入りまで、主の名を讃えよ。
② 天より高く座す方が、身をかがめて見る。
③ 塵から、灰の山から起こされる。
④ 王侯と座らせ、子のない女を母に。

原典 World English Bible 詩篇113篇1〜9節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇114篇 海よ、なぜ逃げた

民がエジプトを出たとき、海は逃げ、山は雄羊のように跳ねた。神の姿を語らず、自然の驚きと問いかけで出来事を歌う。

四行詩

イスラエルがエジプトを出たとき、海は見て逃げた
ヨルダンは退き、山は雄羊、丘は小羊のように跳ねた
海よ、なぜ逃げたのか、山よ、なぜ跳ねたのか
地よおののけ、岩を池に、火打ち石を泉に変えた方の前で

この篇の言葉

逃げる海 退くヨルダン 跳ねる山 岩の池 火打ち石の泉

声の動き

出て行く民 → 逃げる海と跳ねる山 → 地のおののきと泉

読むときの手がかり

本篇は神の姿もモーセも描かず、海や山の反応だけで出来事を語る。絵でも神の姿や光は描かず、波・山・湧く水の動きで示した。エジプトやヨルダンを現代の国に重ねない。

原典 World English Bible 詩篇114篇1〜8節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と旅の列。城壁の町を後にする、生き物のように後ずさりする海、雄羊のように跳ねる山を指さす、火打ち石から湧いた池に手を浸す。神の姿やモーセ、追う軍勢は描かない。文字は入れない。

① 民がエジプトを出たとき。
② 海は見て逃げ、ヨルダンは退いた。
③ 山よ、なぜ雄羊のように跳ねたのか。
④ 地よ、おののけ。岩を泉に変えた方の前で。

原典 World English Bible 詩篇114篇1〜8節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇115篇 語らない口、歩かない足

「私たちにではなく」と栄光を御名に返し、口があっても語らない像と比べて、生きている私たちは主を讃え続けると言う。

四行詩

私たちにではなく、主よ、あなたの名に栄光を
「神はどこに」と言う国々の像は、口があっても語らない
造る者もそれに似る、主に信頼せよ、主は助け、盾
死者は讃えない、だが私たちは今からとこしえまで讃える

この篇の言葉

私たちにではなく 神はどこに 語らない口 助けと盾 私たちは讃える

声の動き

御名への栄光 → 語らない像 → 信頼と賛美

読むときの手がかり

4〜8節の偶像は、特定の宗教や現代の信仰の像としてではなく、人の手で造って頼るもの一般として描いた。アロンの家の祭司の装いも描かない。結びは、死者ではなく生きている者が讃えるという対比。

原典 World English Bible 詩篇115篇1〜18節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と仲間たち。空を探すふりで嘲られる道、細工場の動かない人形と職人、老若が並んで唱える、人形の見える細工場の前を歌いながら通り過ぎる。人形は実在の宗教の像に似せない。文字は入れない。

① 栄光は私たちにではなく、御名に。
② 口があっても語らない。造る者もそれに似る。
③ 主に信頼せよ。主は助け、盾。
④ 死者は讃えない。だが私たちは讃える。

原典 World English Bible 詩篇115篇1〜18節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇116篇 主に何を返せるだろう

死の綱に巻かれて叫んだ人が、聞かれた喜びから「主を愛する」と言い、何を返せるかと問い、杯と誓いで応える。

四行詩

主は私の声を聞いた、だから私は主を愛する
死の綱が巻きつき、私は叫んだ、魂を救ってと
魂よ憩いに帰れ、あなたは私を死から、目を涙から救った
何を返せよう、救いの杯を取り、民の前で誓いを果たす

この篇の言葉

主を愛する 死の綱 憩いに帰れ 救いの杯 誓い

声の動き

死の綱と叫び → 魂への言葉 → 杯と誓い

読むときの手がかり

本篇は救われた後の「応え方」を長く語る。15節「主の聖徒の死は主の目に尊い」は、主に属する者の死を主が軽く扱わない、という意味に読める。杯は聖杯に見えないよう素焼きとした。

原典 World English Bible 詩篇116篇1〜19節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。暗い地面で綱に巻かれて叫ぶ、丘の石の道を確かな足取りで歩く、杯と巻いた綱を前に考え込む、主の家の庭で人々の輪の中に立ち杯を片手に下げて誓いを語る。神の姿や聖杯、司式の所作、いけにえは描かない。文字は入れない。

① 死の綱が巻きつく。主よ、私を救って。
② 魂よ、憩いに帰れ。生ける者の地を歩む。
③ 主に何を返せよう。あなたは私の縄目を解いた。
④ 救いの杯を取り、民の前で誓いを果たす。

原典 World English Bible 詩篇116篇1〜19節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇117篇 二節で国々を招く

詩篇でいちばん短い二節に、国々への呼びかけ、私たちへの慈しみという理由、とこしえのまことが一息に収まる。

四行詩

すべての国よ、主を讃えよ、すべての民よ、たたえよ
主の慈しみは、私たちに大きいのだから
主のまことは、とこしえまで絶えることがない
主を讃えよ、すべての国よ、主を讃えよ

この篇の言葉

すべての国 すべての民 私たちへの慈しみ とこしえのまこと

声の動き

国々への呼びかけ → 私たちへの慈しみ → とこしえのまこと

読むときの手がかり

詩篇でいちばん短い篇。呼びかけの理由は「私たち」への慈しみで、限られた民への恵みが国々への招きになる。国々が応えたとは書かれないため、絵でも讃える群衆にはしなかった。

原典 World English Bible 詩篇117篇1〜2節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と村の数人。息を吸って呼びかける顔、平屋根から遠い丘々へ呼ぶ、村で肩を寄せてうなずき合う、息を吐き終えて目を閉じ微笑む顔。讃える群衆や神の姿は描かない。文字は入れない。

① すべての国よ、主を讃えよ。
② すべての民よ、たたえよ。
③ 主の慈しみは、私たちに大きい。
④ 主のまことはとこしえに。主を讃えよ。

原典 World English Bible 詩篇117篇1〜2節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇118篇 捨てた石が隅のかしら石に

慈しみの反復に包まれて、押し倒されかけた人が死なずに生き、義の門をくぐり、捨てられた石が隅に据えられた驚きを歌う。

四行詩

主に感謝せよ、その慈しみはとこしえに
囲まれ、押し倒されかけても、主が助けた
主は厳しく懲らしめたが、死には渡さなかった
家造りの捨てた石が、隅のかしら石になった

この篇の言葉

慈しみはとこしえに 死なずに生きる 義の門 隅のかしら石 主が造った日

声の動き

苦しみからの呼び声 → 死なずに生きる → 門と石の逆転

読むときの手がかり

10〜12節「国々が私を囲んだ…主の名によって私は彼らを断つ」は言葉として残し、絵にはしない。国々を現代の国や民族に重ねない。22〜26節は後代に別の読み方で引かれる箇所だが、ここでは救われた者が門に入って感謝する本篇の流れで読んだ。

原典 World English Bible 詩篇118篇1〜29節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と行列の人々。狭い石の通路で押し迫る影によろめく、静まった通路で座って息を整える、低い塀の木戸の前に立つ、隅に据えられた粗い石に手を当てて人々に笑いかける。敵の姿、いけにえ、後代の記号は描かない。文字は入れない。

① 囲まれ、押された。主の名によって断つ。
② 私は死なない。生きて主のわざを語る。
③ 義の門を開けて。入って感謝する。
④ 捨てた石が隅のかしらに。主が造った日だ。

原典 World English Bible 詩篇118篇1〜29節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇119篇 迷った羊を探してください

教えを指す言葉を言い換えながら、苦しみの中で「忘れない」と言い続けた声が、迷った羊の自分を探してほしいと願う。

四行詩

あなたの言葉を胸に隠し、蜜より甘く味わう
高ぶる者に追われ、いつ慰めてくれるのかと目は衰える
煙の中の革袋のようになっても、教えを忘れない
羊のように迷った私を、どうか探してください

この篇の言葉

胸に隠した言葉 蜜より甘い 煙の中の革袋 あなたは近い 迷った羊

声の動き

教えを愛する歩み → 衰えても忘れない → 迷った羊の願い

読むときの手がかり

22段、各段8節の行頭が同じヘブライ文字で始まるアルファベット詩。苦しみは多く高ぶる者の迫害として語られるが、「あなたは真実をもって私を苦しめた」(75節)とも言う。教えを愛し通した声は、確信ではなく「探してください」という願いで終わる。

原典 World English Bible 詩篇119篇1〜176節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。胸に手を当てて朝の道を行く、煙の中の黒ずんだ革袋の下に座る、夜明け前の中庭にひざまずいて叫ぶ、道のない夕暮れの岩の斜面でいばらに裾をとられて立ち止まり振り返る。羊飼い・救いの手・見つけられる場面は描かない。文字は入れない。

① 言葉を胸に隠して歩む。
② 煙の中の革袋のよう。いつ慰めてくれるのですか。
③ 悪を追う者が近づく。主よ、あなたは近い。
④ 羊のように迷った私を探して。戒めは忘れていません。

原典 World English Bible 詩篇119篇1〜176節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇120篇 平和を語れば戦いを

都上りの歌の最初は、旅立ちではなく、偽りの舌に囲まれて長く住みすぎた者の嘆き。平和を語っても、返ってくるのは戦い。

四行詩

苦しみの中で叫ぶと主は答えた、偽りの唇から救って
欺く舌よ、返されるのは勇士の矢とえにしだの炭火
ああ、メシェクに宿り、ケダルの天幕に長く住みすぎた
私は平和を、だが私が語ると、彼らは戦いを

この篇の言葉

偽りの唇 欺く舌 えにしだの炭火 ケダルの天幕 平和と戦い

声の動き

答えられた叫び → 舌への問い → 平和を憎む者の間で

読むときの手がかり

メシェクとケダルは遠く離れた二つの地で、「平和を憎む者の間」の比喩として読める。現代の地名や民族に重ねない。都上りの歌の最初だが、本文は旅を語らず、救いの場面もないまま終わる。

原典 World English Bible 詩篇120篇1〜7節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。ささやく輪郭に囲まれた天幕のそばで叫ぶ、夜のえにしだの炭火を見つめる、刻み目だらけの柱に額を当てる、背を向ける人々の中で平和を語る。矢や戦闘、救出は描かない。文字は入れない。

① 主よ、偽りの唇から救ってください。
② 欺く舌よ、返されるのは矢と炭火。
③ ああ、平和を憎む者の間に長く住みすぎた。
④ 私は平和を。語れば、彼らは戦いを。

原典 World English Bible 詩篇120篇1〜7節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。