詩篇の翻案(第3分冊 詩篇61〜90篇)

神学

第3分冊 詩篇61〜90篇


詩篇61篇 私より高い岩へ

心が萎えるとき地の果てから呼び、自分では登れない高い岩へ導いてと願う。天幕と翼の陰に身を避けると言い、王のために祈り、日ごとの誓いへ向かう。

四行詩

心が萎えるとき、地の果てから私はあなたを呼ぶ
私より高い岩へ、どうか私を導いてほしい
あなたの天幕にとこしえに住み、翼の陰に身を避ける
あなたは王の日々を延ばす、私は日ごとに誓いを果たす

この篇の言葉

地の果て 私より高い岩 天幕 翼の陰 日ごとの誓い

声の動き

地の果ての叫び → 高い岩と天幕への願い → 王への祈りと日ごとの誓い

読むときの手がかり

本文は、語り手が高い岩に着いたとも、地の果てから戻ったとも語らない。絵でも岩は最後まで頂の見えない高さのまま残し、その下で祈りを日ごとに続ける姿にした。

原典 World English Bible 詩篇61篇1〜8節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。地の果ての荒れ地で呼ぶ、頂の見えない高い岩を見上げる、岩の影に覆われた天幕で休む、天幕の前で頭を垂れて祈る(遠い町は背景)。神の姿や岩の頂に着く場面は描かない。文字は入れない。

① 地の果てから呼びます。心が萎えるときに。
② 私より高い岩へ、導いてください。
③ 天幕に住み、翼の陰に逃れる。
④ 王の日を延ばす方。名を歌い、日ごとに誓いを果たす。

原典 World English Bible 詩篇61篇1〜8節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇62篇 黙して神だけを待つ

傾いた壁のように押し倒されかけても、魂にただ神だけを黙して待てと言い聞かせる。やがて人々に心を注ぎ出せと勧め、力と慈しみを神に帰す。

四行詩

私の魂は、ただ神にだけ黙して静まる
傾いた壁を押すように、いつまで人を倒そうとするのか
民よ、いつも神に信頼し、その前に心を注ぎ出せ
人は息より軽い、力は神に、慈しみもあなたに

この篇の言葉

ただ神にだけ 傾いた壁 心を注ぎ出す 息より軽い

声の動き

魂の静まり → 押し倒す者への問い → 人々への勧め

読むときの手がかり

襲う者たちが退いたとは書かれていない。静まりは状況が収まった結果ではなく、押されるさなかに自分の魂へ言い聞かせる言葉として語られる。8節から語りかけが人々へ広がる。

原典 World English Bible 詩篇62篇1〜12節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の人々。岩に背を預けて静まる、傾いた石垣と並んで押される、人々の前で壺の水を地に注ぐ、重い袋を担ぐ人々の中で何も持たずに立つ。秤や暴力は描かない。文字は入れない。

① 魂は神にだけ静まる。神こそ私の岩。
② いつまで押すのか。口で祝福し、心で呪う。
③ 民よ、いつも神に信頼し、心を注ぎ出せ。
④ 人は息より軽い。力は神に、慈しみもあなたに。

原典 World English Bible 詩篇62篇1〜12節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇63篇 命にまさる慈しみ

水のない乾いた地で魂ごと神に渇く。だが慈しみは命にまさると告げ、夜更けの床で満ち足り、すがる魂を右の手が支える。

四行詩

神よ、水のない乾いた地で、魂はあなたに渇く
あなたの慈しみは命にまさる、私の唇はあなたを讃える
夜更けの床であなたを思い、魂は満ち足りる
魂はあなたにすがり、あなたの右の手が私を支える

この篇の言葉

乾いた地 命にまさる慈しみ 夜更けの床 翼の陰 右の手

声の動き

体ごとの渇き → 命にまさる慈しみ → すがる魂と支える手

読むときの手がかり

本文は荒野を出たとも、水を得たとも語らない。満ち足りは渇きのただ中で語られる。9〜10節は命を狙う者が剣に渡され山犬の餌食になると言い切るが、絵には描かない。

原典 World English Bible 詩篇63篇1〜11節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。荒れ野で空の水袋を逆さにして渇く、乾いた丘の頂で手を上げて讃える、夜の岩陰の敷物で満ち足りる、崖沿いの細い道を岩に手を添えて歩く。支える手や水、敵の結末は描かない。文字は入れない。

① 神よ、水のない地で魂が渇く。
② 慈しみは命にまさる。手を上げて讃える。
③ 夜更けの床であなたを思い、満ち足りる。
④ 魂はあなたにすがる。右の手が私を支える。

原典 World English Bible 詩篇63篇1〜11節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇64篇 言葉の矢、神の矢

舌を剣に研ぎ、物陰から言葉の矢を放つ者たち。「誰が見るものか」と高をくくる彼らを、今度は神が射る。正しい者は主に身を避ける。

四行詩

神よ、嘆く声を聞き、悪い者の企みから私を隠して
彼らは舌を剣のように研ぎ、言葉の矢を物陰から放つ
「誰が見るものか」と罠を語る者を、神が射る
正しい者は主を喜び、主のもとに身を避ける

この篇の言葉

剣の舌 言葉の矢 誰が見るものか 神の矢 身を避ける

声の動き

隠してという願い → 物陰の言葉の矢 → 神の矢と喜び

読むときの手がかり

神が射ること、彼ら自身の舌が彼らを倒すこと(8節)は、これから起こることとして語られる。絵では陰謀者が打たれる場面を描かず、茂みも罠も残したまま、物陰から出て立つ人々の姿で終えた。

原典 World English Bible 詩篇64篇1〜10節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と、最後に数人の人々。石垣の陰で隠してと祈る、茂みの口から飛ぶ言葉の矢に顔をかばう、夕暮れに罠を隠す輪郭たち、茂みも罠も残る昼の道に人々とまっすぐ立つ。射られる者や敗走は描かない。文字は入れない。

① 嘆く声を聞いて。企みから私を隠して。
② 舌は剣、言葉は矢。物陰から放つ。
③ 「誰が見るものか。完璧な計略だ」
④ 神が彼らを射る。正しい者は主に身を避け、喜ぶ。

原典 World English Bible 詩篇64篇1〜10節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇65篇 丘は喜びをまとう

シオンで黙して待つ賛美が、海と山を静める方を経て、地を訪れてうるおす恵みへ広がり、喜びをまとった丘と谷が歌いだす。

四行詩

神よ、シオンで賛美はあなたを待ち、誓いは果たされる
山を据え、海のとどろきと諸国の騒ぎを静める方よ
あなたは地を訪れて畝をうるおし、荷車は実りにあふれる
丘は喜びをまとい、谷は麦をまとって歌う

この篇の言葉

待つ賛美 海のとどろき 地を訪れる あふれる荷車 喜びをまとう丘

声の動き

シオンで待つ賛美 → 山と海を静める方 → 歌う丘と谷

読むときの手がかり

13節で喜び叫び歌うのは、人ではなく牧場と谷である。漫画の最後も人物を歌わせず、丘と谷の広がりの中で耳を傾ける小さな姿にした。

原典 World English Bible 詩篇65篇1〜13節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と、最初だけ数人の礼拝者。中庭で黙して待つ、夕暮れの尾根から凪いだ海を見渡す、束のこぼれる荷車のそばで麦を抱える、羊と麦に覆われた丘と谷の中で耳を傾ける。神の姿や祭壇は描かない。文字は入れない。

① 罪に圧倒されても、あなたは覆う。賛美は黙して待つ。
② 海と諸国の騒ぎを静める方。
③ 地を訪れ、荷車は実りにあふれる。
④ 丘は喜びをまとい、谷は麦をまとって歌う。

原典 World English Bible 詩篇65篇1〜13節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇66篇 火の中、水の中を通って

全地に「来て見よ」と呼びかけ、神に練られて火と水を通った民の記憶を語る。その歌が一人の「来て聞け」に絞られ、退けられなかった祈りを告げる。

四行詩

全地よ、神に喜び叫べ、来て神のわざを見よ
あなたは私たちを銀のように練り、背に重荷を負わせた
火の中、水の中を通ったが、あなたは豊かな所へ導いた
来て聞け、神は私の祈りを退けなかった

この篇の言葉

来て見よ 銀のように練る 火の中、水の中 来て聞け

声の動き

全地への呼びかけ → 練られた民の記憶 → 一人の証し

読むときの手がかり

牢も重荷も火と水も、本文は神がしたこととして語る。試練の主語を変えずに書いた。全地への大きな呼びかけが、最後は数人に向けた一人の語りに小さく絞られる順序を残した。

原典 World English Bible 詩篇66篇1〜20節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と人々。乾いた川床を列で渡り振り向く、野火と増水にはさまれた道を重荷を負って進む、豊かな平野で包みを抱えて宮へ歩き出す、夕方の石垣で数人に語る。奇跡の特撮や祭壇は描かない。文字は入れない。

① 来て見よ。私たちは川を歩いて渡った。
② 銀のように練られ、火の中、水の中を通った。
③ 豊かな所へ。苦しみの日の誓いを果たす。
④ 来て聞いて。神は私の祈りを退けなかった。

原典 World English Bible 詩篇66篇1〜20節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇67篇 地は実りを出した

私たちを祝福して、と願う短い祈りが、同じ反復句をはさんで諸国の民の喜びへ広がる。ただ一つの事実「地は実りを出した」が、その願いを支える。

四行詩

神よ、私たちを憐れみ祝福し、あなたの顔を照らして
あなたの道が地に、救いが諸国に知られるように
民があなたを讃えるように、すべての民が讃えるように
地は実りを出した、神は私たちを祝福する

この篇の言葉

顔を照らす あなたの道 すべての民 地の実り

声の動き

祝福の願い → 諸国の民への反復 → 実りという事実

読むときの手がかり

本篇の大部分は「〜するように」という願いで、諸国が実際に讃えた場面は語られない。願いの形を断定に変えずに書いた。漫画の最後は、全地に広げず、実りの籠を手渡しで回す小さな輪にとどめた。

原典 World English Bible 詩篇67篇1〜7節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の人々。畑で顔を上げて日を受ける、辻で遠ざかる道を見送る、四方の道の旅人たちがそれぞれの場所で歌う、夕方の果樹の下で実りの籠を輪の中で手渡す。光線や神の顔は描かない。文字は入れない。

① 神よ、憐れんで。顔を私たちに照らして。
② あなたの道が、地に知られるように。
③ 民が讃えるように。すべての民が讃えるように。
④ 地は実りを出した。神は私たちを祝福する。

原典 World English Bible 詩篇67篇1〜7節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇68篇 荒野から聖所へ進む行列

内容注記 1〜2節と21〜23節に、敵の滅びを願い、敵の血に足を浸すという言葉がある。絵には描かない。

みなしごの父なる神が民の先に立って震える荒野を進み、峰々のねたむ山を選び、歌い手と手鼓の行列とともに聖所へ入る。

四行詩

みなしごの父、寄るべない者を家族に住まわせる神
あなたが民の先に立ち荒野を進むと、地は震え雨が降った
日々私たちの荷を負う主、死からの逃れは主にある
歌い手が先に、奏者が後に、手鼓とともに聖所へ進む

この篇の言葉

立ち上がれ みなしごの父 荒野の行進 ねたむ峰々 聖所への行列

声の動き

寄るべない者の家 → 荒野から山への道のり → 聖所への行列

読むときの手がかり

長く難解な篇。本冊子では荒野から聖所への行列を一本の軸として場面を選び、意味の定まらない11〜14節や30節は省いた。行列の先頭には何も描かない。

原典 World English Bible 詩篇68篇1〜35節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と人々。家族の食卓に迎えられる、雨の荒野を列で進む、高い峰々を振り返りながら低い山へ登る、聖所への急な石段を手鼓を打ちながら上る。行列の先頭や敵の滅び、血は描かない。文字は入れない。

① 神は寄るべない者を、家族の中に住まわせる。
② あなたが先に立つと、地は震え雨が降った。
③ 峰々よ、なぜ神の選んだ山をねたむのか。
④ 行列は聖所へ。神はほむべきかな。

原典 World English Bible 詩篇68篇1〜35節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇69篇 水は首にまで来た

内容注記 22〜28節に、敵が命の書から消されるよう願う激しい呪いがある。絵には描かない。

首まで水に沈み、神のために嘲られ、渇きに酢を飲まされる。慰める者のない声は敵への激しい呪いに噴き出し、なお痛みの中で歌う。

四行詩

神よ、救ってほしい、水は首にまで来て足場がない
あなたのために嘲られ、渇けば酢を飲まされた
彼らの食卓が罠となり、命の書から消されるように
痛み苦しむ私は歌う、主は乏しい者に聞くと

この篇の言葉

首まで来た水 足場のない泥 あなたの家への熱心 酢 命の書

声の動き

沈む叫び → 嘲りと慰めのない渇き → 呪いと痛みの中の歌

読むときの手がかり

22〜28節の呪いは、理由なく憎まれ酢を飲まされた者の叫び。絵には描かない。詩は「主は乏しい者に聞く」と確信で結ぶが、水から出た場面は語られない。

原典 World English Bible 詩篇69篇1〜36節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。洪水の野で首まで水に浸かって叫ぶ、荒布で門の嘲りの前を通る、誰もいない腰掛けで差し出された酢の杯から顔をそむける、夕暮れになお首まで水に浸かったまま歌う。救出や呪いの実現は描かない。文字は入れない。

① 神よ、救って。水が首にまで来た。
② あなたのために嘲られ、酔いどれの歌になる。
③ 顔を隠さないで。慰める者はなく、渇けば酢を。
④ 痛みの中で歌う。主は乏しい者に聞く。

原典 World English Bible 詩篇69篇1〜36節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇70篇 急いで、と始まり終わる

前置きなしに「急いで」と叫び、「アハ、アハ」と笑う者が退くよう願う。神を求める人々の喜びを願いながら、貧しく乏しい私のもとへ来てと呼ぶ。

四行詩

神よ、急いで私を救って、主よ、早く助けに来て
「アハ、アハ」と笑う者は、恥のゆえに退くように
あなたを求める者は喜び、「神はあがめられよ」と言うように
私は貧しく乏しい、神よ急いで来て、主よ遅れないで

この篇の言葉

急いで アハ、アハ 貧しく乏しい 私の助け 遅れないで

声の動き

前置きのない叫び → 嘲る者と喜ぶ者 → 来てという呼びかけ

読むときの手がかり

全5節は40篇13〜17節とほぼ同じ言葉。40篇では救われた感謝の後に置かれるが、70篇は前置きなしに始まる。「あなたは私の助け」と信頼を告げつつ、「遅れないで」で終わる。

原典 World English Bible 詩篇70篇1〜5節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。真昼の往来を駆けながら叫ぶ、木陰で駆け方をまねて笑う輪郭たちの前で身を縮める、向かい側で喜ぶ人々を離れて見る、空の鉢を足もとに誰もいない道の先へ手招きする。救いの到来や敵の退く場面は描かない。文字は入れない。

① 神よ、急いで。主よ、早く助けて。
② 「アハ、アハ」と笑う者が、恥じて退くように。
③ あなたを求める者が、あなたを喜ぶように。
④ 貧しい私に急いで来て。あなたは私の助け。

原典 World English Bible 詩篇70篇1〜5節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇71篇 胎から白髪まで

母の胎から頼ってきた神に、老いた者が「見捨てないで」と願う。次の世代に語り終えるまでを求め、衰えた手で竪琴を鳴らして歌う。

四行詩

母の胎からあなたに頼り、今も岩なるあなたに逃れる
「神は見捨てた、追え」と言われる、老いた私を捨てないで
白髪になっても、次の世代にあなたの力を語らせて
私たちに苦しみを見せたあなたが、深みから再び引き上げる

この篇の言葉

母の胎から 老いの日 白髪 次の世代 竪琴

声の動き

胎からの信頼 → 老いの訴えとささやき → 語り継ぐ願いと歌

読むときの手がかり

老いと衰えは最後まで変わらない。20節は苦しみを見せた方も神だと言い、その同じ方が引き上げると歌う。主語は神のまま残した。主人公は老いた姿で描いた。

原典 World English Bible 詩篇71篇1〜24節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。白髪の同じ人物。岩陰に座る、ささやかれて杖にすがる、戸口で若い人に語る、夕方の戸口で竪琴を抱いて歌う。若返りや敵の敗北は描かない。文字は入れない。

① 胎のときから、あなたに頼ってきた。
② 「神は見捨てた。追って捕らえよ」と言う声。老いた私を捨てないで。
③ 白髪になっても、次の世代に語るまで。
④ 贖われた魂が、竪琴で歌う。

原典 World English Bible 詩篇71篇1〜24節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇72篇 刈り跡に降る雨

王に神の公正を求める祈り。刈り跡に降る雨のように、叫ぶ貧しい者を救う王を願い、全地に満ちる栄光に「アーメン」を重ねる。

四行詩

神よ、王にあなたの公正を、貧しい者に正しい裁きを
刈り跡の野に降る雨のように、王の日々が地を潤すように
助け手のない者の叫びを聞き、その血を尊ぶ王であれ
主の栄光が全地に満ちよ、アーメン、アーメン

この篇の言葉

王に公正を 刈り跡に降る雨 助け手のない者 尊い血 アーメン

声の動き

王のための祈り → 貧しい者を救う治世 → 第2巻の頌栄

読むときの手がかり

2〜17節は王の治世を語るが、1節の祈りに続く願いとして読んだ。18〜19節は第2巻を閉じる頌栄、20節は「ダビデの祈り終わる」という結びで、篇本体とは別に置いた。

原典 World English Bible 詩篇72篇1〜20節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。町を見下ろす丘で王のために祈る、刈り跡の雨を手に受ける、道ばたで叫ぶ、穀物の丘で巻物を閉じて頭を垂れる。王の姿や敵の屈服は描かない。文字は入れない。

① 神よ、王に公正を。貧しい者を正しく裁かせて。
② 刈り跡に降る雨のように、王が来ますように。
③ 助け手のない者の叫び。その血は尊い。
④ 主の栄光が全地に。アーメン、アーメン。

原典 World English Bible 詩篇72篇1〜20節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇73篇 滑りかけた足、握られた手

悪しき者の繁栄を妬んで足を滑らせかけた者が、聖所で彼らの終わりを悟る。身も心も衰えても、神に近くいる。

四行詩

悪しき者の繁栄を妬み、私の足は滑りかけた
むなしく心を清め、手を洗った、考えるほど苦しい
聖所に入り、あなたが彼らを滑る所に置くと知った
身も心も衰えても、あなたは私の右の手を握る

この篇の言葉

滑りかけた足 悪しき者の繁栄 聖所 右の手 とこしえの分け前

声の動き

妬みとつまずき → 聖所での転換 → 神に近くいる

読むときの手がかり

答えは議論ではなく、聖所に入る経験から来る。悪しき者の終わりは語られるが、語り手の衰えは変わらない。滅びの場面は絵にせず、遠くで薄れる屋敷にとどめた。

原典 World English Bible 詩篇73篇1〜28節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。屋敷の宴を見て斜面で足を滑らせる、水盤の前で手を止める、聖所の戸口から霧に薄れる屋敷を見る、聖所の奥の壁にもたれて座る。神の手や滅びの場面は描かない。文字は入れない。

① 彼らの繁栄を妬んで、足が滑りかけた。
② 心を清めたのはむなしかった。
③ 聖所に入って、彼らの終わりを悟った。
④ 身も心も衰える。でも神に近くいるのは良い。

原典 World English Bible 詩篇73篇1〜28節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇74篇 斧の跡と昔からの王

斧で打ち砕かれ焼かれた聖所の跡で、民はなぜ手を引くのかと問う。昔からの王の御業を思い起こしても、敵の騒ぎはやまず、訴えは答えを得ない。

四行詩

神よ、なぜとこしえに退け、牧場の羊に怒りをくすぶらせるのか
斧が彫り物を砕き、聖所は焼かれた、しるしも預言者もない
それでも神は昔から私の王、海を分け、昼も夜もあなたのもの
なぜ右の手を引くのか、立ち上がり、あなたの訴えを争って

この篇の言葉

とこしえの廃墟 焼かれた聖所 しるしも預言者もない 昔からの王 あなたの鳩

声の動き

なぜ退けたのか → 昔からの王の記憶 → 立ち上がれという訴え

読むときの手がかり

創造の記憶は答えではなく訴えの根拠として置かれ、詩は敵の騒ぎがやまないまま終わる。退けたのは神だという主語は残した。破壊の場面ではなく、焼け跡だけを描いた。

原典 World English Bible 詩篇74篇1〜23節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の人々。焼け跡で彫り物の破片を拾う、灰の上で答えを探す、夕暮れに遠い海を見て昔の王を思う、夜の焼け跡で破片を差し出して訴える。破壊の場面や救いは描かない。文字は入れない。

① なぜとこしえに退けるのか。聖所は焼けた。
② しるしもない。なぜ右の手を引くのか。
③ 神は昔からの王。昼も夜もあなたのもの。
④ 神よ、立ち上がって。鳩を獣に渡さないで。

原典 World English Bible 詩篇74篇1〜23節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇75篇 主の手にある杯

名が近いと感謝する民に、神が「地の柱を支える」と語る。高くするのは神だけで、主の手の杯を悪しき者は澱まで飲む。

四行詩

あなたの名は近い、と私たちは感謝し、人々は御業を語る
地が揺れても「その柱を堅く支えるのは私だ」と神は言う
角を上げるな、神は一人を低くし、正しい者の角を上げる
主が手の杯を注ぎ、地の悪しき者は澱まで飲む、私は歌う

この篇の言葉

近い名 地の柱 角を上げるな 泡立つ杯 澱

声の動き

名が近いことへの感謝 → 神の託宣と警告 → 杯の裁きと歌

読むときの手がかり

2〜5節は神自身の託宣として読んだ。10節の「角を断つ」の話し手は確定しないので、主人公の行為にはしない。裁きは杯の像にとどめ、悪しき者が飲む場面は描かない。

原典 World English Bible 詩篇75篇1〜10節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の人々。中庭で輪になってそろって感謝する、揺れる地で石柱につかまる、角を振り上げる野牛と高ぶる輪郭の下に静かに立つ、傾いた杯のそばで目を閉じて歌う。杯を持つ手や飲む者は描かない。文字は入れない。

① 感謝します。あなたの名は近い。
② 地が揺れても、柱を支えるのは私だ、と神は言う。
③ 角を高く上げるな。高くするのは神だけ。
④ 主の手の杯を、悪しき者は澱まで飲む。私は歌う。

原典 World English Bible 詩篇75篇1〜10節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇76篇 そこで火の矢は折られた

シオンに住まう神が火の矢と盾と剣を折り、戦車も馬も眠らせる。天の裁きの前で地は恐れて黙り、誓いを果たせと勧められる。

四行詩

神はユダで知られ、シオンで火の矢と盾と剣を折った
叱責の声に、戦車も馬も深い眠りに落ちる
苦しむ者を救いに神が立つとき、地は恐れて黙った
恐るべき方に誓いを立て、それを果たせ

この篇の言葉

シオン 火の矢と盾と剣 深い眠り 黙した地 誓い

声の動き

武器を折る神 → 恐れて黙る地 → 誓いの勧め

読むときの手がかり

5〜6節の「眠り」は戦う者の死を言う。戦いや倒れた人は絵にせず、止まった戦車と静まった地で示した。裁きの目的は「地の苦しむ者を救う」ことと語られる。

原典 World English Bible 詩篇76篇1〜12節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。丘への道で折れた武器を見下ろす、止まった戦車と眠る馬を見つめる、黙した地にひざまずく、壺を抱えて丘の天幕へ上る。戦いや倒れた人は描かない。文字は入れない。

① 神はシオンで、火の矢と盾と剣を折った。
② 叱責の声に、戦車も馬も深く眠った。
③ 怒るあなたの前に誰が立てよう。地は黙った。
④ 恐るべき方に、誓いを果たしに行く。

原典 World English Bible 詩篇76篇1〜12節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇77篇 海の中の見えない足跡

慰めを拒み、まぶたを閉じられない夜に「神は恵むことを忘れたのか」と問う。昔の御業へ思いを移し、民が海の中を渡った記憶をたどる。

四行詩

夜通し手を伸ばしても、魂は慰めを拒み、あなたは眠らせない
主はとこしえに私たちを退けるのか、恵むことを忘れたのか
昔の奇しい業を思い出す、水はあなたを見てもだえた
道は海の中、足跡は見えず、あなたは民を群れのように導いた

この篇の言葉

伸ばした手 閉じないまぶた 恵むことを忘れたのか 海の中の道 見えない足跡

声の動き

眠れない夜の叫び → 問いの連なり → 出エジプトの記憶

読むときの手がかり

詩は出エジプトの記憶の中で唐突に終わり、語り手の夜が明けたとも、慰めを受けたとも書かれない。足跡が見えないという言葉を、隠れた導きとして④に残した。

原典 World English Bible 詩篇77篇1〜20節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。暗い部屋で窓の闇へ手を伸ばす、熾を見つめて問う、目を閉じて記憶の嵐の海を思う、夜の浜で足跡のない砂を見下ろす。夜明けや海が割れる場面は描かない。文字は入れない。

① 夜通し手を伸ばす。あなたは眠らせない。
② とこしえに退けるのか。恵むことを忘れたのか。
③ 昔の御業を思う。水はあなたを見てもだえた。
④ あなたの道は海の中。足跡は見えない。

原典 World English Bible 詩篇77篇1〜20節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇78篇 忘れた民を覚えていた神

父祖の背きを次の世代に隠さず語る長い歴史の歌。御業を忘れる民と、背きに怒りながらも彼らが過ぎ去る風だと覚えている神を対にする。

四行詩

父祖から聞いたことを隠さず、来る世代に語り継ぐ
岩の水を飲んでも「荒野に食卓を備えられるか」と試した
神は幾度も怒りを収め、彼らが過ぎ去る風だと覚えていた
羊の囲いから取られた者が、巧みな手で民を導いた

この篇の言葉

隠さず語る 岩の水 荒野の食卓 過ぎ去る風 羊の囲い

声の動き

次の世代への教え → 忘れる民と憐れむ神 → 羊飼いの選び

読むときの手がかり

72節の歴史を、忘れる民と覚えている神の対比に絞った。神が怒ってシロの幕屋を捨て、民を剣に渡したこと(59〜64節)など、省いた場面も多い。民が忘れなくなったとは語られない。

原典 World English Bible 詩篇78篇1〜72節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。脱穀場で巻物を若い人に手渡す、岩の水のそばで背を向ける人々を振り返る、夜の宿営で指の間を抜ける風を見つめる、羊の囲いにもたれて遠い羊飼いを見送る。災いや死の場面は描かない。文字は入れない。

① 聞いたことを隠さず、次の代に語る。
② 忘れて「荒野に食卓を備えられるか」と試した。
③ 幾度も怒りを収め、過ぎ去る風だと覚えていた。
④ 羊の囲いから取られた者が民を導いた。

原典 World English Bible 詩篇78篇1〜72節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇79篇 葬る者のいない都

内容注記 2〜3節に葬られず鳥や獣に与えられた遺体、6・10・12節に報復の願いがある。

都は石の山となり、死者を葬る者もいない。いつまで怒るのかと問う民は、嘲る隣人への七倍の報いを求め、なお感謝を誓う。

四行詩

神よ、諸国が都を石の山にし、葬る者もいない
主よ、いつまで怒るのか、あなたを知らない国々に憤りを注げ
「彼らの神はどこに」と言わせるな、囚われ人のため息を聞け
あなたを嘲った隣人に七倍で返せ、私たちはとこしえに讃える

この篇の言葉

石の山 葬る者もない 彼らの神はどこに 囚われ人のため息 七倍の報い

声の動き

破壊と葬られない死者 → いつまでと報復の願い → 牧場の羊の誓い

読むときの手がかり

報復の願いは、死者を葬ることもできない者の痛みからの叫び。七倍に返すのは神へのそしり。行為の勧めとして読まず、現代の民族や国家に重ねない。

原典 World English Bible 詩篇79篇1〜13節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の人々。石の山で葬りの布を抱えて立ちすくむ、城壁の嘲る輪郭に拳を握る、高い石壁に額を当てる、夕暮れの瓦礫で葬りの布を膝に拳を握って座る。死体や報復は描かない。文字は入れない。

① 都は石の山。葬る者もいない。
② 「彼らの神はどこに」と嘲る。いつまで怒るのか。
③ 咎を数えないで。囚われ人の嘆きを御前に。
④ 嘲りを七倍に返して。私たちはあなたの羊。

原典 World English Bible 詩篇79篇1〜13節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇80篇 垣を崩されたぶどうの木

「御顔を照らしてください、そうすれば救われる」と三度祈る民。エジプトから植えられたぶどうの木は、垣を崩され焼かれたまま顧みを待つ。

四行詩

神よ、私たちを立ち帰らせ、御顔を照らしてください
涙のパンを食べさせ、あふれるほどの涙を飲ませたのはあなた
エジプトから植えたぶどうの木の垣を、なぜ崩したのか
焼かれた株を顧みて、御顔を照らしてください、私たちは救われる

この篇の言葉

イスラエルの牧者 涙のパン エジプトからのぶどうの木 崩された垣 御顔を照らして

声の動き

反復句の祈り → ぶどうの木の物語と告発 → 三度目の反復句

読むときの手がかり

「御顔を照らしてください」は三度繰り返され、救いは「そうすれば」という条件の形のまま終わる。絵では光を描かず、同じ構図の繰り返しで祈りの反復を示した。

原典 World English Bible 詩篇80篇1〜19節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の人々。ぶどう畑の崩れた石垣の前で同じ並びで祈る、涙のパンを手に泣く、丘を覆うぶどうの木が荒らされるのを見上げる、焼けた株に手を置いて祈る。光や再生は描かない。文字は入れない。

① 私たちを立ち帰らせ、御顔を照らして。
② 涙のパンを食べさせたのはあなた。
③ エジプトから植えた木の垣を、なぜ崩したのか。
④ この株を顧みて。御顔を照らせば救われる。

原典 World English Bible 詩篇80篇1〜19節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇81篇 わが民が聞いてくれたなら

新月の角笛で始まる祭りの歌が、神の語りへ移る。聞かなかった民を嘆く神は、聞くなら岩の蜜で満たすのにと言う。

四行詩

新月に角笛を吹け、祭りの日に喜び歌え
知らぬ言葉が告げる、口を大きく開けよ、満たそう
だがわが民は聞かず、私は頑なな心のままに行かせた
聞いてくれたなら、岩からの蜜で満たすのに

この篇の言葉

新月の角笛 知らない言葉 口を開けよ わが民 岩の蜜

声の動き

祭りの呼び集め → 神の語りと招き → 聞かなかった民への嘆き

読むときの手がかり

篇の大半は神の一人称の語り。16節の麦と岩の蜜は「民が聞いたなら」という仮定の約束で、実現したとは書かれない。漫画でも蜜は手の届かない岩の奥に置いた。

原典 World English Bible 詩篇81篇1〜16節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の祭りの人々。新月の丘で角笛を吹く、籠のそばで見えない声に耳を澄ます、人物も混じって人々が別々の小道へ散る、岩の奥の蜂の巣へ手を伸ばしかけて止める。声の主と蜜の実現は描かない。文字は入れない。

① 新月に角笛を吹け。祭りの日に歌え。
② 知らない声。「口を開けよ、満たそう」
③ 「わが民は聞かず、心のままに行かせた」
④ 「聞いてくれたなら、岩の蜜で満たすのに」

原典 World English Bible 詩篇81篇1〜16節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇82篇 人のように死ぬ神々

神々の会議を司る神が、弱い者を見捨てる裁きを問いただす。神々も人のように死ぬと告げられ、語り手は神自身に地を裁くよう呼びかける。

四行詩

神は大いなる会議を司り、神々の中で裁く
いつまで不正に裁くのか、弱い者と孤児を守れ
お前たちは神々だ、だが人のように死ぬ
神よ、立ち上がって地を裁いてほしい、国々はあなたのもの

この篇の言葉

大いなる会議 いつまで 弱い者と孤児 揺らぐ地の基 人のように死ぬ

声の動き

会議を司る神 → 不正な裁きへの問いと宣告 → 地を裁けという呼びかけ

読むときの手がかり

「神々」が天上の存在か地上の裁き手かは読みが分かれる。ここでは断定せず、会議を人の姿で描かない。主人公は裁く側ではなく、広場の隅の弱い者の側に置いた。

原典 World English Bible 詩篇82篇1〜8節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の貧しい人々。霧の高みに並ぶ誰もいない石の座、広場の隅で閉ざされた館の前に座る人々、台座にひびが入り傾く座、土に手を置いて呼びかける。神や神々の姿は描かない。文字は入れない。

① 神が会議を司り、神々を裁く。
② 「いつまで不正に裁くのか。弱い者を守れ」
③ 「お前たちは神々だ。だが人のように死ぬ」
④ 神よ、立ち上がり地を裁いて。国々はあなたのもの。

原典 World English Bible 詩篇82篇1〜8節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇83篇 転がる枯れ草のように

内容注記 古代の諸国の名を挙げ、その滅びを神に願う激しい呪詛がある。現代の民族や国家を指すものではない。

イスラエルの名を消そうと諸国が手を組む。黙らないでと叫ぶ声は枯れ草と嵐の呪詛を連ね、主だけがいと高き方と諸国が知るよう願う。

四行詩

神よ、黙らないで、彼らはこの名を消そうと企む
エドム、モアブ、アッシリアまでが心を一つに手を組む
風に転がる枯れ草のように、嵐で彼らを追ってほしい
彼らが恥じ惑い滅び、あなただけがいと高き方と知るように

この篇の言葉

黙らないで 名を消す企て 神の牧場 転がる枯れ草 いと高き方

声の動き

沈黙しないでという叫び → 同盟と企て → 呪詛と主の名

読むときの手がかり

挙げられる国名は古代の諸国のもので、現代の民族や国家に重ねない。滅びを願う言葉と、敵が主の名を求めるようにとの願いが並び、本冊子はどちらも和らげない。

原典 World English Bible 詩篇83篇1〜18節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の人々。茨の木の下で静かな空に叫ぶ、遠い尾根に肩を並べる輪郭の列、枯れ草ともみ殻が吹き飛ぶ嵐、ひざまずき両手を握って尾根を見る。国の記号や敵の滅びは描かない。文字は入れない。

① 神よ、黙らないで。彼らは名を消すと言う。
② エドム、モアブ、アッシリアが手を組む。
③ 枯れ草のように嵐で追って。
④ 恥じ惑わせて。あなただけがいと高き方と知るように。

原典 World English Bible 詩篇83篇1〜18節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇84篇 祭壇のそばの燕の巣

すずめも燕も祭壇のそばに巣を得たと、神の住まいを慕う。涙の谷を泉に変えて進み、庭の一日を千日にまさると歌う。

四行詩

万軍の主よ、あなたの住まいは何と慕わしい
すずめは家を、燕は巣を、あなたの祭壇のそばに得た
涙の谷を過ぎる者は、そこを泉の地に変えて進む
あなたの庭の一日は千日にまさる、門番でもいい

この篇の言葉

慕わしい住まい 燕の巣 涙の谷 力から力へ 庭の一日

声の動き

焦がれる魂 → 涙の谷を越える巡礼 → 門口にとどまる願い

読むときの手がかり

42〜43篇の渇きに似るが、84篇の憧れは涙の谷を越えて喜びへ向かう。語り手が巡礼の途上か聖所にいるかは決めがたく、漫画では道のりと門口の両方を描いた。

原典 World English Bible 詩篇84篇1〜12節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の巡礼。高台から遠い聖所と燕を見る、湧き水の光る乾いた谷を進む、門の軒下の燕の巣を見上げる、手前の燕の巣の向こうで門の外の石段に座り、奥の庭へほほえむ。神の姿は描かない。文字は入れない。

① あなたの住まいは何と慕わしい。魂が焦がれる。
② 涙の谷を泉の地に。力から力へ。
③ すずめも燕も、祭壇のそばに巣を。
④ 主は日、盾。あなたに信頼する人は幸い。

原典 World English Bible 詩篇84篇1〜12節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇85篇 義と平和の口づけ

かつての回復を思いながら、なお続く怒りに「もう一度生かして」と願う。耳を澄ます声は、慈しみとまことが出会う地を待ち望む。

四行詩

かつてあなたは地を恵み、民の罪を覆った
とこしえに怒るのか、もう一度私たちを生かしてほしい
神の語ることを聞こう、主は民に平和を語る
慈しみとまことは出会い、義と平和は口づけする

この篇の言葉

かつての回復 もう一度 平和を語る 慈しみとまこと 義と平和

声の動き

回復の記憶 → もう一度という願い → 出会いを待つ耳

読むときの手がかり

回復は過去形、出会いの像は現在・完了形、実りは未来形で語られ、詩は「主は良いものを与え、地は実りを生む」という確信で結ぶ。漫画は実りを描かず、芽一つにとどめた。

原典 World English Bible 詩篇85篇1〜13節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の村人。戸口の古い干し穂を見上げる、実りの少ない畑で問う、畝の端に座って待つ、雲が地平に触れる畑で種をまき、芽が一つ出ている。実りや擬人化した姿は描かない。文字は入れない。

① かつてあなたは地を恵み、罪を覆った。
② とこしえに怒るのか。もう一度、生かして。
③ 聞こう。主は民に平和を語る。
④ 慈しみとまことは出会い、義と平和は口づけする。

原典 World English Bible 詩篇85篇1〜13節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇86篇 恵みのしるしを私に

貧しく乏しい者が一日じゅう呼び、比べる者のない神に心を一つにしてほしいと願う。高ぶる者に狙われる中で、恵みのしるしを求める。

四行詩

貧しく乏しい私は、一日じゅうあなたを呼ぶ
神々の中にあなたに並ぶ者はなく、諸国も来てひれ伏す
心を一つにしてほしい、あなたは陰府の底から私を救った
高ぶる者が命を狙う中、恵みのしるしを見せてほしい

この篇の言葉

貧しく乏しい 一日じゅう 一つにされた心 陰府の底 恵みのしるし

声の動き

乏しい者の呼びかけ → 比べる者のない神と一つの心 → 高ぶる者の中のしるし

読むときの手がかり

陰府の底からの救いを感謝した直後に、高ぶる者の襲いが再び語られる。詩はしるしを求め、「主が私を助け、慰めた」という確信の言葉で終わるが、敵が去ったとは書かれない。

原典 World English Bible 詩篇86篇1〜17節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。夜明け前の道ばたで両手を差し出す、戸口で二本の糸を一本に撚る、道をふさぐ輪郭の群れに紐を握って向き合う、夕日に伸びる群れの影の中で手のひらを差し出して待つ。しるしや敵の退散は描かない。文字は入れない。

① 主よ、答えて。私は貧しく乏しい。
② 心を一つに。陰府の底から救った方よ。
③ 高ぶる者と荒ぶる群れが命を狙う。
④ しるしを。あなたが助け慰めたと、敵にも見えるように。

原典 World English Bible 詩篇86篇1〜17節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇87篇 ここで生まれた、と記される

聖なる山に据えられた都に、エジプトやバビロン、遠い諸国の人々までが「ここで生まれた」と記される。歌い踊る者は、泉はみなここにあると言う。

四行詩

主は聖なる山に基を据え、シオンの門を愛する
エジプトもバビロンも、私を知る者の中に記す、と主は言う
この人もあの人もここで生まれた、と数えられる
歌う者も踊る者も言う、私の泉はみなあなたにある

この篇の言葉

聖なる山の基 シオンの門 エジプトとバビロン ここで生まれた 私の泉

声の動き

都の基と門 → 諸国の登録 → 歌と踊りの泉

読むときの手がかり

短く難解な篇。「そこで生まれた」がシオンを指すか各人の国を指すかは読みが分かれ、ここでは諸国の人々がシオンの者として数えられる読みを採った。国名は古代のもの。結びの「あなた」は都を指す。

原典 World English Bible 詩篇87篇1〜7節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物とさまざまな旅装の人々。岩山の基の上の門を見上げる、門の前に諸地の人々が並ぶ、開かれた巻物の前で驚く、泉のほとりで輪になって踊る。書く手や民族の誇張は描かない。文字は入れない。

① 神の都よ、栄えあることが語られる。
② エジプトも、バビロンも、エチオピアも。
③ 「この人も、あの人も、ここで生まれた」
④ 歌う者も踊る者も言う。泉はみな、あなたに。

原典 World English Bible 詩篇87篇1〜7節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇88篇 闇の底から毎朝呼ぶ

深い穴の底から昼も夜も、朝ごとに呼び続ける。答えも転換も記されず、友を遠ざけられた闇の中で詩は終わる。

四行詩

救いの神よ、昼も夜もあなたに叫ぶ
あなたの波が私を覆い、あなたは友を遠ざけた
死者があなたを讃えるのか、と闇から問う
朝ごとに祈りを差し出し、なお闇の中にいる

この篇の言葉

深い穴 あなたの波 死者は讃えるか 朝の祈り 闇

声の動き

昼夜の叫び → 死者の国への問い → 遠ざけられた友と闇

読むときの手がかり

詩篇の中でも、最後まで感謝や信頼に転じない篇。それでも語り手は神を「私の救いの神」と呼び、祈りをやめない。暗いまま終わる形を変えずに描いた。

原典 World English Bible 詩篇88篇1〜18節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。穴の底で叫ぶ、波に覆われ友が去る、墓石の間で問う、朝の灰色の下でなお暗い穴の中で祈る。光や救出は描かない。文字は入れない。

① 救いの神よ、昼も夜も叫んでいます。
② あなたの波が覆う。友も遠くへ。
③ 死者があなたを讃えるでしょうか。
④ なぜ顔を隠すのか。朝ごとに、闇で祈る。

原典 World English Bible 詩篇88篇1〜18節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇89篇 かつての慈しみはどこに

とこしえの慈しみとダビデへの誓いを高らかに歌った声が、38節で一転し、冠を塵に落とした神に「かつての慈しみはどこに」と問う。

四行詩

主の慈しみをとこしえに歌う、月は誓いの忠実な証人
子らが背いても慈しみは取り去らない、と主は誓った
だがあなたは油注いだ者を退け、冠を塵にまみれさせた
いつまで隠れるのか、かつての慈しみはどこにあるのか

この篇の言葉

とこしえの慈しみ ダビデへの誓い 空の証人の月 塵の中の冠 かつての慈しみ

声の動き

慈しみと誓いの讃美 → 退けられた王 → 誓いを問い返す声

読むときの手がかり

本体は問いのまま終わる。52節「主はとこしえにほむべきかな。アーメン、アーメン」は第3巻全体の結びの頌栄で、嘆きを解消する言葉ではない。四行詩と漫画は51節までで閉じた。

原典 World English Bible 詩篇89篇1〜52節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。昼の中庭で王座の前で手を広げて歌う、満月の下で月を仰ぐ、崩れた中庭で塵の中の冠のそばにひざまずく、夜の瓦礫に座り胸に手を押し当てて月に問う。楽器は描かない。王座の再建や夜明けは描かない。文字は入れない。

① とこしえに歌う、ダビデへの慈しみを。
② 「慈しみは取り去らない」月が証人。
③ だがあなたは退け、冠を塵にまみれさせた。
④ いつまで隠れるのか。かつての慈しみはどこに。

原典 World English Bible 詩篇89篇1〜52節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇90篇 日を数えることを教えて

山より先にある神の永遠と、朝に芽生え夕べに枯れる人の短さを並べる。怒りの下で、日を数える知恵と手のわざの確かさを願う。

四行詩

山が生まれる前から、あなたは代々私たちの住まい
千年も昨日のよう、人は朝芽生え夕べに枯れる草
私たちはあなたの怒りに消え、年はため息のように尽きる
日を数えることを教え、私たちの手のわざを確かにしてほしい

この篇の言葉

代々の住まい 千年と昨日 夕べに枯れる草 日を数える 手のわざ

声の動き

永遠の神 → 枯れる草と怒りの下の年 → 知恵と手のわざの願い

読むときの手がかり

人の短さは神の怒りと結びつけて語られ、本文はそれを和らげない。結びの「手のわざを確かに」の反復も願いのままで、聞かれたとは書かれない。

原典 World English Bible 詩篇90篇1〜17節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の人々。夜明け前の山並みのふもとに小さく立って見上げる、夕暮れにしおれた草をつまむ、地面に小石を並べて日を数える、灰色の朝に建てかけの家の戸枠を支えて祈る。神の姿や喜びの実現は描かない。文字は入れない。

① 山より前から、あなたは私たちの住まい。
② 千年も昨日のよう。人は夕べに枯れる草。
③ 年はため息のように。日を数えることを教えて。
④ 主よ、いつまで。手のわざを確かに。

原典 World English Bible 詩篇90篇1〜17節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。