詩篇の翻案(第2分冊 詩篇31〜60篇)

神学

第2分冊 詩篇31〜60篇


詩篇31篇 私の時はあなたの手に

霊を神の手にゆだね、割れた器のように忘れられた孤立と中傷を訴える。断たれたと思ったが願いは聞かれ、人々を励ます側に立つ。

四行詩

強い岩となってください、あなたの手に霊をゆだねる
通りで人は私から逃げ、私は割れた器のように忘れられる
四方に恐れがあっても、私の時はあなたの手にある
断たれたと急いで言った、それでもあなたは願いの声を聞いた

この篇の言葉

霊をゆだねる 割れた器 四方の恐れ 私の時 強くあれ

声の動き

岩への願い → 孤立と中傷 → 聞かれた声と励まし

読むときの手がかり

語り手は苦しみの一因に自分の咎も挙げる(10節)。信頼と訴えは一度で終わらず二度くり返される。中傷した人々が退いたとは書かれていないので、絵でも通りの人々を消していない。

原典 World English Bible 詩篇31篇1〜24節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。岩の裂け目に身を寄せる、通りで避けられ割れた壺の前に立つ、四方のささやきの中でかけらを拾う、城壁の外でかけらを持ったまま人々を励ます。壺が直る場面や敵の敗走は描かない。文字は入れない。

① あなたの手に霊をゆだねます。
② 通りで人は私から逃げる。割れた器のように。
③ 四方に恐れ。でも私の時はあなたの手に。
④ 断たれたと思った。でも願いは聞かれた。強くあれ。

原典 World English Bible 詩篇31篇1〜24節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇32篇 隠さずに告げた咎

罪を黙って抱えた日々は骨が枯れ、主の手が重かった。咎を隠さずに告げると赦され、語り手は人々を教えと喜びへ招く。

四行詩

黙っていたとき骨は枯れ、あなたの手は昼も夜も重かった
私は咎を隠さずに告げ、あなたは私の罪を赦した
あなたは私の隠れ場、大水の日にも救いの歌で囲む
くつわの馬のようになるな、正しい者よ、喜び叫べ

この篇の言葉

黙っていたとき 重い手 隠さずに告げる 隠れ場 くつわの馬

声の動き

黙っていた重さ → 告白と赦し → 教えと喜び

読むときの手がかり

赦しは告白と同じ節(5節)で語られ、本篇は赦された後から振り返る形で書かれている。どの罪かは本文にない。8〜9節の話し手は主とも語り手とも読める。

原典 World English Bible 詩篇32篇1〜11節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。日照りの畑で口を閉ざしてうずくまる、同じ畑でひざまずき口を開いて告げる、大水の上の岩棚に立つ、くつわの馬の横を後ろ姿で歩み去り喜んで呼びかける。神の手や罪の具体物は描かない。文字は入れない。

① 黙っていると骨が枯れた。あなたの手が重い。
② 私は咎を隠さず告げた。あなたは赦した。
③ 大水の日も、あなたは私の隠れ場。
④ くつわの馬になるな。正しい者よ、喜べ。

原典 World English Bible 詩篇32篇1〜11節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇33篇 語れば成り、命じれば立つ

竪琴に合わせた新しい歌が、言葉一つで天と海を成らせた方を讃える。王の軍勢も救いにならない地上を天から見る主を、共同体は待つ。

四行詩

竪琴と十弦の琴で、新しい歌を主に歌え
主が語ると天が成り、海の水は山のように集められた
主は天から人の子らを見る、王の軍勢も救いにならない
私たちの魂は主を待つ、慈しみを私たちの上に

この篇の言葉

新しい歌 主の言葉 海の水の山 天から見る 待つ魂

声の動き

歌への呼びかけ → 言葉による創造と人の計らい → 共同体の待ち望み

読むときの手がかり

創造の賛美は、最後に「私たち」の待ち望みへ変わる。賛美しながら、なお待っている状態で終わる。王や軍の無力は、敵の敗北の場面としてではなく、主を見上げる理由として語られている。

原典 World English Bible 詩篇33篇1〜22節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人。海を見下ろす斜面で竪琴を奏でて歌う、夜の海辺で盛り上がる海と星を見上げる、俯瞰の平原と小さな兵の列の中で空を見上げる、夕方の同じ斜面で竪琴を胸に抱いて待つ。神の姿や戦いは描かない。文字は入れない。

① 竪琴と十弦の琴で、新しい歌を。
② 主が語ると、天が成り、海が集まった。
③ 国々の計らいは無に。軍も王を救わない。
④ 私たちの魂は主を待つ。慈しみを。

原典 World English Bible 詩篇33篇1〜22節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇34篇 味わって、見てごらん

叫びを聞かれた貧しい者が、主の恵みを味わい見よと人々を招く。舌を守り平和を追えと教え、苦しみの多さも隠さない。

四行詩

この貧しい者が叫ぶと、主は聞いて苦しみから救った
へりくだる人々よ、主の恵みを味わい、見よ
舌を悪から守り、平和を求めて、それを追いかけよ
苦しみは多くても、主は砕けた心の近くにいて救う

この篇の言葉

貧しい者の叫び 味わい見よ 舌を守る 平和を追う 砕けた心

声の動き

聞かれた叫び → 味わえという招き → 教えと苦しみの中の近さ

読むときの手がかり

原文は各節の頭がヘブライ文字の順に並ぶアルファベット詩。教えの言葉は楽観ではなく、正しい者にも苦しみが多いと認めたうえで主の近さを語り、そのすべてから救い出すと言い切る(19節)。表題の場面は本文に出てこない。

原典 World English Bible 詩篇34篇1〜22節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の大人。夜の石垣の陰で叫ぶ、人々と輪になってパンを分けて味わう、木陰で唇に指を当てて教える、夕暮れの石垣のそばで胸に手を当てて涙のまま祈る。神の姿、天使、子どもは描かない。文字は入れない。

① この貧しい者が叫ぶと、主は聞いた。
② さあ、主の恵みを味わって、見てごらん。
③ 来て聞け。舌を悪から守り、平和を追え。
④ 苦しみは多い。でも主は砕けた心の近くにいて救う。

原典 World English Bible 詩篇34篇1〜22節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇35篇 「アハ」と嘲る口の前で

病の彼らのために荒布を着たのに、善に悪で報いられた。「この目で見た」と嘲る口を前に、黙って見ている神に起きてくれと迫る。

四行詩

主よ、争ってください、彼らを風の前のもみ殻に
彼らの病に荒布を着た私に、彼らは悪で報いる
「アハ、この目で見た」と嘲る、いつまで見ているのか
あなたは見た、黙らないで、私の舌はあなたの義を語る

この篇の言葉

もみ殻 荒布 悪で報いる アハ、アハ 黙らないで

声の動き

争ってほしいという訴え → 裏切られた善意と嘲り → 黙る神への迫り

読むときの手がかり

敵が恥を見て、風の前のもみ殻のように追われ、自分の隠した網にかかるようにという厳しい願いが三度くり返される。ここでは言葉を残し、絵には描かない。願いは自分で報復せず神に委ねる形で語られる。最後まで嘲りの声はやまない。

原典 World English Bible 詩篇35篇1〜28節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。門前で偽りの証人に囲まれる、荒布を着て病人のそばで祈る、口を開けて嘲る輪の中で膝をつく、夜の広場の端で顔を上げて迫る。敵が倒れる場面や神の姿は描かない。文字は入れない。

① 偽りの証言。善に悪で報いられる。
② 彼らの病に、私は荒布を着て祈った。
③ 「アハ、この目で見た」。いつまで見ているのか。
④ あなたは見た。黙らないで。起きて。

原典 World English Bible 詩篇35篇1〜28節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇36篇 いのちの泉はあなたのもとに

寝床でまで悪を企む者を見つめた目が、天に届く慈しみ、山の義、淵の裁きへ上がり、いのちの泉と光を讃える。

四行詩

寝床で悪を企む者、その目の前に神への恐れはない
あなたの慈しみは天に、義は山々、裁きは大いなる淵
いのちの泉はあなたのもとに、その光の中で私たちは光を見る
高ぶる足を寄せつけないで、悪を行う者はそこに倒れている

この篇の言葉

寝床の企み 天に届く慈しみ 大いなる淵 いのちの泉 光の中の光

声の動き

悪しき者の内側 → 慈しみの大きさ → 泉と光、そして願い

読むときの手がかり

悪しき者の描写のすぐ後に、何の転換の言葉もなく慈しみの賛美が始まる。最後は自分を守ってほしいという願いと、悪を行う者が倒れるという言葉で終わる。

原典 World English Bible 詩篇36篇1〜12節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。戸口から寝床で企む者を見る、岩場から山と海原を仰ぐ、岩間の泉で山羊と並んで水を飲む、泉のそばで手を組んで祈り遠くに伏した輪郭がある。神の姿や暴力は描かない。文字は入れない。

① 寝床で悪を企む者。その目に神への恐れはない。
② あなたの慈しみは天に、義は山々のよう。
③ いのちの泉はあなたのもとに。光の中で光を見る。
④ 高ぶる足を寄せつけないで。

原典 World English Bible 詩篇36篇1〜12節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇37篇 茂る木を見てもいら立つな

悪しき者が茂る木のように栄えても、いら立つなと年長者は説く。道を主にゆだねて待て。若い日から老いるまで見てきた結論。

四行詩

悪を行う者が栄えても、いら立つな、ねたむな
道を主にゆだねて待て、つまずいても主が手で支える
正しい者のわずかなものがまさり、へりくだる者は地を受け継ぐ
茂る木のような者も過ぎ去り、探しても見つからなかった

この篇の言葉

いら立つな 道をゆだねる わずかなもの 若かったが今は老いた 茂る木

声の動き

いら立つ心 → ゆだねて待つ → 過ぎ去った繁栄

読むときの手がかり

40節に及ぶ長い教えから「いら立つな」の一本に絞った。原文はアルファベット詩で、同じ対比が何度もくり返される。勧めは、悪しき者の繁栄がまだ目の前にある人に向けられている。最後は、救いは主から来るという言葉で閉じる。

原典 World English Bible 詩篇37篇1〜40節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。隣の屋敷の大木を見て拳を握る、背を向けて小さな畑を耕す、坂道でつまずいて杖で踏みとどまる、大木の消えた草地を畑のそばから見る。破壊の場面や神の姿は描かない。文字は入れない。

① 悪を行う者が栄えても、いら立つな。
② 道を主にゆだね、静まって待て。
③ つまずいても倒れない。主が手で支える。
④ 茂る木も過ぎ去り、探しても見つからなかった。

原典 World English Bible 詩篇37篇1〜40節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇38篇 うめきはあなたに隠れない

神の矢と手に打たれ、咎の重荷に身をかがめて歩く。友は遠くに立ち、敵の前で口を閉ざす。最後まで「急いで助けて」と呼び続ける。

四行詩

あなたの矢が私を射抜き、あなたの手が重くのしかかる
咎は頭を越えて重荷となり、友も遠くに立っている
耳を閉ざし口を開かず、私のうめきはあなたに隠れない
倒れそうな私を見捨てないで、主よ、急いで助けて

この篇の言葉

あなたの矢 咎の重荷 遠く立つ友 隠れないうめき 急いで

声の動き

打たれた痛みと重荷 → 孤立と沈黙 → 待ちながらの願い

読むときの手がかり

語り手は苦しみの原因を神の怒りと自分の咎の両方に見ている。15節で「あなたは答える」と望むが、答えの場面はなく、病も敵も残ったまま「急いで」の願いで終わる。

原典 World English Bible 詩篇38篇1〜22節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。矢の刺さった道を重い荷を負って歩く、遠くに立つ友を見る、ささやく者に囲まれ目と口を閉ざす、荷を負ったまま膝をついて急いでと叫ぶ。体に刺さる矢、傷、救出は描かない。文字は入れない。

① あなたの矢と手が重い。咎は頭を越えた。
② 友も遠くに立つ。うめきはあなたに隠れない。
③ 耳を閉ざし、口を開かない。
④ あなたは答えてくれる。主よ、急いで助けて。

原典 World English Bible 詩篇38篇1〜22節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇39篇 手の幅ほどの日々

黙っていようとした胸に火が燃え、人生は手の幅ほどの息だと語りだす。寄留者として、私が去っていなくなる前に、と答えのないまま願う。

四行詩

口にくつわをかけて黙ったが、胸の内で火が燃えた
あなたは私の日々を手の幅にした、人はみな息にすぎない
何を待つのか、望みはあなたに、あなたの鞭を取り去って
私は寄留者、去っていなくなる前に、私を容赦して

この篇の言葉

口のくつわ 胸の火 手の幅 息 寄留者

声の動き

沈黙と胸の火 → 短い日々と息 → 去る前の願い

読むときの手がかり

88篇と同じく、最後まで感謝や信頼に転じない篇。7節に「望みはあなたに」とあるが、詩は神の鞭を取り去ってという訴えと、いなくなる前にという願いで閉じる。救いの場面は足さずに描いた。

原典 World English Bible 詩篇39篇1〜13節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。向かいの者の前で口を押さえて黙る、炉のそばで手のひらを見つめる、影のように行き交う人々を見送る、夜の宿の敷居に杖を握って立ち、うつむいて願う。夜明けや救いは描かない。文字は入れない。

① 口にくつわをかけ、黙っていた。
② 胸に火が燃えた。日々は手の幅、人は息。
③ 人は影のように歩く。何を待つのか。望みはあなたに。
④ 涙に黙らないで。いなくなる前に、容赦して。

原典 World English Bible 詩篇39篇1〜13節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇40篇 岩に立ち、なお急いでと呼ぶ

泥の穴から引き上げられて岩に立ち、新しい歌を大会衆に告げる。だが数えきれない悪に囲まれ、遅れないでと再び叫ぶ。

四行詩

耐えて待つと、主は泥の穴から私を引き上げ岩に立たせた
新しい歌を口に受け、大会衆の前で唇を閉ざさない
数えきれない悪と咎に囲まれ、私は顔も上げられない
私は貧しく乏しい、あなたは私の助け、遅れないで

この篇の言葉

泥の穴 岩の上の足 新しい歌 髪の毛より多い 遅れないで

声の動き

引き上げられた感謝 → 大会衆への証し → 囲まれての叫び

読むときの手がかり

前半の救いは過去のこととして語られ、詩は今の苦境の中で「遅れないで」と願って終わる。13〜17節は70篇とほぼ同じ言葉で、命を狙い「アハ」と嘲る者が恥を見るようにという願いも含む。救われた経験があっても、祈りは再び叫びに戻る順序を残した。

原典 World English Bible 詩篇40篇1〜17節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。泥のくぼ地で膝まで沈んで待つ、岩の上に立って新しい歌を歌う、大会衆の前で唇を開いて語る、同じ岩の上に立ったまま無数の影に囲まれ、両手を口の前で合わせて願う。引き上げる手や救出は描かない。文字は入れない。

① 泥の中で、耐えて主を待った。
② 足を岩に置かれ、口に新しい歌。
③ 大会衆の前で、唇を閉ざさない。
④ 悪は髪の毛より多い。わが神よ、遅れないで。

原典 World English Bible 詩篇40篇1〜17節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇41篇 病の床を囲むささやき

病の床で敵に死を待たれ、共にパンを食べた友にも背かれる。それでも起こしてほしいと願い、御前に置かれる確信を語る。

四行詩

主よ、憐れんで癒やしてほしい、私はあなたに罪を犯した
敵は病の床の私を囲み、いつ死ぬのかとささやく
信頼し、共にパンを食べた友までがかかとを上げた
起こしてほしい、報いるために。あなたは私を御前に置く

この篇の言葉

病の床 いつ死ぬのか パンを食べた友 起こしてほしい 御前

声の動き

貧しい者を顧みる幸い → 病の床と友の裏切り → 起こされる願いと御前の確信

読むときの手がかり

癒やされた場面は本文にない。10節の「報いるため」も省かずに残した。「かかとを上げる」は背くこと。13節「アーメン、アーメン」は第1巻全体を結ぶ頌栄で、本篇の祈りとは分けて読む。

原典 World English Bible 詩篇41篇1〜13節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。病の床で祈る、窓の外でささやかれる、食事を共にした友が去る、床に伏したまま寝台の縁を握って願う。癒やしや敵の敗北は描かない。文字は入れない。

① 主よ、癒やしてください。罪を犯しました。
② いつ死ぬのか、と窓辺でささやく。
③ パンを分けた友まで、背を向けた。
④ 起こしてください、報いるために。私は御前に置かれる。

原典 World English Bible 詩篇41篇1〜13節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇42篇 谷川を慕いあえぐ鹿

谷川を慕う鹿のように神を慕い、遠い山の滝の音の中で「なぜ忘れたのか」と問う。そのたびに自分の魂に「神を待ち望め」と言い聞かせる。

四行詩

鹿が谷川を慕うように、私の魂は神を慕いあえぐ
涙が昼も夜も糧となり、おまえの神はどこだと人は言う
なぜ私を忘れたのか、と遠い山から岩なる神に問う
わが魂よ、なぜ打ちひしがれる。神を待ち望め、なお讃える

この篇の言葉

慕いあえぐ鹿 涙の糧 神はどこに 淵が淵を呼ぶ なぜ打ちひしがれるのか

声の動き

渇きと涙 → 遠い地からの問い → 魂への言い聞かせ

読むときの手がかり

同じ反復句が二度出て、嘆きを区切る。8節「昼に主は慈しみを命じ、夜にはその歌が共にある」という確信もあり、④の夜の歌に残した。最後も言い聞かせで、神の前に出る日はまだ来ていない。43篇と一続きの詩とみる説があり、本冊子では次の43篇をその続きとして描く。

原典 World English Bible 詩篇42篇1〜11節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。谷川に首を伸ばす鹿を見つめる、嘲られて泣く、轟く滝のしぶきの中で問う、夜の滝つぼで水面の自分に語りかける。神殿への到着や夜明けは描かない。文字は入れない。

① 鹿が谷川を慕うように、神を慕う。
② 「おまえの神はどこにいる」涙が糧になる。
③ あなたの大波が越える。なぜ私を忘れたのか。
④ わが魂よ、なぜ打ちひしがれる。神を待ち望め。

原典 World English Bible 詩篇42篇1〜11節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇43篇 光とまことを送ってほしい

42篇の嘆きを受け、退けられたと訴える声が、光とまことに聖なる山へ導かれたいと願い、そのたびに同じ「わが魂よ」の言い聞かせへ戻っていく。

四行詩

神よ、私を弁護し、欺く者から助け出してほしい
力の神よ、なぜ私を退けたのか、なぜ敵に虐げられ嘆き歩くのか
光とまことを送り、聖なる山へ導け。そのとき竪琴で讃える
わが魂よ、なぜ打ちひしがれる。神を待ち望め、なお讃える

この篇の言葉

弁護 なぜ退けたのか 光とまこと 祭壇と竪琴 なぜ打ちひしがれるのか

声の動き

弁護を求める訴え → 光とまことへの願い → 魂への言い聞かせ(三度目)

読むときの手がかり

表題がなく反復句も同じため、42篇と一続きの詩とみる説がある。本冊子は篇を分けたまま続きとして描いた。祭壇へ行くのは願いの先のことで、語り手はまだ聖なる山に着いていない。

原典 World English Bible 詩篇43篇1〜5節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。滝の見える岩場で訴える、虐げられて坂を歩く、竪琴を抱えて遠い山を見る、竪琴の弦に指を置いて自分の魂に語る。光の筋や祭壇への到着は描かない。文字は入れない。

① 神よ、私の訴えを取り上げてください。
② なぜ私を退けたのか。虐げられて歩く。
③ 光とまことを送り、山へ導いてください。
④ わが魂よ、なぜ打ちひしがれる。神を待ち望め。

原典 World English Bible 詩篇43篇1〜5節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇44篇 なぜ眠っているのか、主よ

父祖から聞いた御業を誇った民が、忠実なのに退けられ、屠られる羊とされる。その果てに、眠る主へ「起きてください」と叫び、答えを待つ。

四行詩

父祖から聞いた、あなたの右の手が地を与えたと
だが今、あなたは私たちを退け、値もなく民を売った
忘れず背かずにいるのに、あなたのゆえに屠られる羊とされる
主よ、なぜ眠るのか。塵に伏す私たちを慈しみゆえに贖え

この篇の言葉

父祖の語り 値なしに売られる民 屠られる羊 なぜ眠るのか 塵に伏す

声の動き

父祖の御業の記憶 → 退けられた今と潔白の訴え → 眠る主への叫び

読むときの手がかり

共同体は罪を認めず、忠実なのに打たれたと訴える。神が退け、売り渡したという主語はそのまま残した。最後の願いに答えは記されず、民は塵に伏したまま終わる。

原典 World English Bible 詩篇44篇1〜26節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の人々。古木の下で父祖の話を聞く、散り散りに恥を負って歩く、荒れた岩場でひざまずく、塵に伏したまま土をつかんで叫ぶ。救出や光、戦いは描かない。文字は入れない。

① 父祖から聞いた、あなたの腕の業を。
② だが今、あなたは私たちを退け、売った。
③ 忘れていないのに、あなたのゆえに屠られる羊に。
④ 主よ、起きてください。なぜ眠っているのか。

原典 World English Bible 詩篇44篇1〜26節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇45篇 喜びの油と金の織物

心のあふれる詩人が、喜びの油を注がれた王を讃え、父の家を離れる花嫁に語りかけ、金の衣の行列を王宮へ送り出す婚礼の歌。

四行詩

心は良い言葉にあふれ、舌は巧みな書き手の筆となる
義を愛する王に、神は喜びの油を注いだ
娘よ、耳を傾けよ、自分の民と父の家を忘れよ
金の衣の行列は王宮へ。王の名は代々に覚えられる

この篇の言葉

あふれる心 筆のような舌 喜びの油 父の家 金の織物

声の動き

王への賛辞 → 花嫁への呼びかけ → 行列と代々の名

読むときの手がかり

王の婚礼のための歌。6節は王を神とも、神の与えた王座とも読める。花嫁に故郷を忘れよと言い、王はあなたの美しさを慕う、王を主として敬えと続ける言葉(10〜11節)は当時の婚礼観のもの。絵では花嫁の尊厳を保ち、戦いも描かない。

原典 World English Bible 詩篇45篇1〜17節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。巻物と筆で歌を練る、油のつやの王を仰ぐ、振り返る花嫁に語りかける、王宮へ進む行列の脇で歌う。花嫁を性的に描かず、戦いも描かない。文字は入れない。

① 心があふれる。王のための歌を書く。
② 義を愛する王に、喜びの油が注がれる。
③ 娘よ、聞け。父の家を忘れよ。
④ 喜びの行列が王宮へ。名は代々に。

原典 World English Bible 詩篇45篇1〜17節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇46篇 静まって、知れ

地が変わり山が海へ揺らいでも恐れないと歌い、都を喜ばせる川を見つめ、「静まって知れ」の言葉と「主は共に」の反復に戻る。

四行詩

神は避け所また力、苦しみのときのすぐそばの助け
地が変わり、山が海へ揺らいでも、私たちは恐れない
一筋の川が神の都を喜ばせ、都は揺るがない
「静まって、私が神と知れ」万軍の主は私たちと共に

この篇の言葉

避け所 山が揺れても 都を喜ばせる川 静まって知れ 万軍の主は共に

声の動き

揺れる地と恐れない声 → 都の川 → 武器を折る神と反復

読むときの手がかり

2〜3節は「たとえ〜しても」という仮定の形で、地が崩れたという報告ではない。「静まって知れ」は神自身の言葉で、騒ぐ国々に向けられ、それを聞く私たちへの言葉ともなる。反復句は7節と11節の二度出る。

原典 World English Bible 詩篇46篇1〜11節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の人々。荒れる海の高台に恐れず立つ、都の川べりで手をひたす、野に散らばる折れた弓を拾う、同じ高台で黙って立つ。神の姿や夜明けの光は描かない。文字は入れない。

① 山が海へ揺らいでも、私たちは恐れない。
② 川が都を喜ばせる。万軍の主は共に。
③ 主は弓を折り、槍を砕き、戦いをやめさせる。
④ 「静まって知れ」主は私たちと共に。

原典 World English Bible 詩篇46篇1〜11節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇47篇 手を打て、すべての民よ

すべての民に手を打てと呼びかけ、叫びとラッパの中を上る王なる神を「歌え」と重ねて讃え、その声は諸民の君が集う広がりへ及ぶ。

四行詩

すべての民よ、手を打ち、勝ちどきの声で神に叫べ
主はいと高く畏るべき方、全地を治める大いなる王
神は叫びとラッパの響きの中を上り、聖なる王座に着く
歌え、歌え、王に歌え。悟りをもって歌え

この篇の言葉

手を打て 全地の王 ラッパの響き 歌え 地の盾

声の動き

諸民への歓呼 → ラッパの中を上る神 → 集う諸民と歌

読むときの手がかり

3節は諸国を「足の下に」従わせると言い、9節は諸民の君がアブラハムの神の民として集うと言う。この緊張は消さずに残した。口語訳は9節を二つに分けて10節とする。

原典 World English Bible 詩篇47篇1〜9節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。丘で一人手を打つ、角笛を吹く行列と丘を上る、手を打って歌う群衆、盾を携えた君たちと諸民が丘へ集う。神の姿や征服は描かない。文字は入れない。

① すべての民よ、手を打て。神に叫べ。
② 叫びとラッパの響きの中、神は上る。
③ 歌え、歌え。悟りをもって歌え。
④ 諸民の君が集う。地の盾は神のもの。

原典 World English Bible 詩篇47篇1〜9節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇48篇 塔を数えて次の代へ

王たちが見ただけで震えて逃げた神の都を、聞いたとおりに自分の目で見た民が、城壁をめぐって塔を数え、次の代へ語り継ぐ。

四行詩

主は大いなる方、神の都、聖なる山で讃えられる
集まった王たちは都を見て驚き、震えて逃げ去った
聞いたとおりに見た。宮の中であなたの慈しみを思う
塔を数え、次の代に告げよ。この神は死に至るまで導く

この篇の言葉

北の果ての山 震えて逃げる王たち 聞いたとおりに見た 塔を数えよ 死に至るまで

声の動き

都での賛美 → 王たちの驚きと退散 → 都をめぐり次の代へ

読むときの手がかり

王たちは戦って負けたのではなく、都を見ただけで逃げ去ったと書かれている。シオンは本篇の中の神の都として読み、現代の国家や都市の政治に重ねない。

原典 World English Bible 詩篇48篇1〜14節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の人々。山上の都を仰ぐ、遠い尾根で王たちがおののき引き返す、聖所の一室で黙して思う、城壁をめぐって塔を数え若い同行者に語る。戦いや実在の名所は描かない。文字は入れない。

① 主は大いなる方。都は全地の喜び。
② 王たちは都を見て、震えて逃げ去った。
③ 聞いたとおりに見た。慈しみを思う。
④ 塔を数え、次の代に語ろう。

原典 World English Bible 詩篇48篇1〜14節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇49篇 死が羊飼いとなる群れ

すべての民に向けて竪琴で謎を解く。富では命を贖えず、死が羊飼いとなって富む者を導くが、神は私の魂を陰府から贖うと語る。

四行詩

富を頼む者も、兄弟を贖う代価を神に払えない
賢い者も愚かな者も死に、富を他人に残していく
地に自分の名を付けても、死が彼らの羊飼いとなる
だが神は陰府の力から私の魂を贖い、受け入れる

この篇の言葉

竪琴で解く謎 贖いの代価 死が羊飼い 携えて行けない 滅びる獣

声の動き

すべての民への呼びかけ → 富と死の謎 → 陰府からの贖い

読むときの手がかり

「死が羊飼い」は、富を頼む者の行く末を言う。富そのものではなく、富を頼んで悟りのないことが問われている(20節)。富む者を特定の民族や集団に重ねない。

原典 World English Bible 詩篇49篇1〜20節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。広場で竪琴を手に謎を語る、富む者が境界石に印を刻ませる、富む者の列が霧の谷へ下る、谷の縁で恐れずに見送る。骸骨や死神、富む者の戯画は描かない。文字は入れない。

① 低い者も高い者も聞け。謎を解こう。
② 富を誇っても、命の代価は払えない。
③ 死が彼らの羊飼い。滅びる獣のように。
④ 神は私の魂を陰府から贖う。

原典 World English Bible 詩篇49篇1〜20節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇50篇 雄牛より感謝のいけにえ

黙らずに来た神が天と地を呼び、民には雄牛ではなく感謝をささげよと語り、口先で契約を語る者には沈黙を破って警告する法廷の詩。

四行詩

神は黙らずに来る。天と地を呼び、民を裁く
千の丘の家畜も私のもの、たとえ飢えても告げない、と神は言う
感謝をささげ、誓いを果たせ。悩みの日に呼べ、救い出す
黙っていた私を、自分と同じと思ったか。引き裂く前に悟れ

この篇の言葉

黙らずに来る神 千の丘の家畜 感謝のいけにえ 悩みの日に呼べ 私の沈黙

声の動き

天と地の召集 → 民へ(雄牛より感謝) → 悪しき者へ(沈黙の終わり)

読むときの手がかり

詩の大半は神の言葉で、民と悪しき者に二度語りかける。いけにえそのものは責められず(8節)、感謝と誓いの履行が求められる。22節の「引き裂く」は警告で、裁きの実行は描かれない。

原典 World English Bible 詩篇50篇1〜23節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の人々。嵐雲の下に人々が集まる、雄牛の綱を手に千の丘を見渡す、祭壇の脇で誓いの土の壺を掲げる、声高に語りながら背中の手から巻物を落とす輪郭。神の姿や裁きの実行、屠殺、宗教儀礼の身振りは描かない。文字は入れない。

① 神は黙らずに来る。天と地を呼んで裁く。
② 千の丘の家畜は私のもの。雄牛はいらない。
③ 感謝をささげ、悩みの日に呼べ。救い出す。
④ 黙っていた私を、自分と同じと思ったか。

原典 World English Bible 詩篇50篇1〜23節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇51篇 砕けた心という供え物

目の前から消えない罪を言い表し、洗いと清い心を願う。赦しの言葉は記されないが、砕けた心を神は蔑まないと言い、シオンの城壁を建て直してと願う。

四行詩

神よ、あなたの慈しみによって、私の背きをぬぐって
私の罪はいつも目の前にある。あなたにだけ罪を犯した
ヒソプで清めて、私は清くなる。洗って、雪より白く
砕けた悔いた心を、神よ、あなたは蔑まない

この篇の言葉

背きをぬぐう 目の前の罪 ヒソプ 清い心 砕けた心

声の動き

罪の自覚 → 洗いと清い心の願い → 砕けた心という供え物

読むときの手がかり

表題はダビデとバト・シェバの件に結び付けるが、本文は罪の中身を語らない。出来事は描かず、悔いの言葉だけを追った。赦されたとは書かれないが、喜びと賛美への願いと、砕けた心を神は蔑まないという確信がある。

原典 World English Bible 詩篇51篇1〜19節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。目の前の壁に落ちる自分の影を見つめる、水鉢とヒソプの前で洗いを乞う、顔をおおって清い心を願う、戸口の敷居でひれ伏す。女性や罪の場面、いけにえ、赦しの光は描かない。文字は入れない。

① 私の罪は、いつも目の前にあります。
② ヒソプで清め、雪より白く洗ってください。
③ 清い心を造ってください。御前から捨てないで。
④ 主よ、唇を開いて。砕けた心をささげます。

原典 World English Bible 詩篇51篇1〜19節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇52篇 剃刀の舌と緑のオリーブ

剃刀のような舌で悪を誇り、富に頼む者に言い返す。その者と対照して、語り手は神の家に植わる緑のオリーブの木として慈しみに頼む。

四行詩

力ある者よ、なぜ悪を誇るのか。神の慈しみは絶えない
欺く舌は、鋭い剃刀のように滅びをたくらむ
神を力とせず、富の多さに頼んだ者を見よ
だが私は神の家の緑のオリーブ、慈しみに頼む

この篇の言葉

悪を誇る 剃刀の舌 富の多さ 緑のオリーブ 慈しみ

声の動き

誇る者への問い → 舌と富への告発 → オリーブの木の信頼

読むときの手がかり

表題はドエグの密告に結び付けるが、本文は人名を語らない。誇る者が根こそぎにされるという言葉は語り手の確信として残し、その実現は描かなかった。私は木のように神の家に根を張る。

原典 World English Bible 詩篇52篇1〜9節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。中庭で悪を誇る者を見すえる、薄笑いで剃刀を研ぐ者、富の袋にもたれる者を見る、神の家のオリーブの木に手を添える。王や密告の場面、裁きの実行は描かない。文字は入れない。

① 力ある者よ、なぜ悪を誇るのか。
② あなたの舌は剃刀のように欺く。
③ 神はあなたを天幕から引き抜く。富に頼んだ者よ。
④ 私は神の家のオリーブ。慈しみに頼む。

原典 World English Bible 詩篇52篇1〜9節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇53篇 恐れのないところで恐れた

「神はいない」と心で言い、民をパンのように食う者を見渡す。その者たちが恐れるもののない場所で恐れたと語り、民が連れ戻される日を願う。

四行詩

神はいない、と心で言う者たち。善を行う者はいない
パンを食べるように、彼らはわが民を食い尽くす
恐れのないところで恐れた。神は陣を敷く者の骨を散らした
神が民を連れ戻すとき、ヤコブは喜ぶだろう

この篇の言葉

神はいない わが民を食う 恐れのない恐れ 散らされた骨 連れ戻す日

声の動き

見渡しと嘆き → 理由のない恐れ → 帰還への願い

読むときの手がかり

14篇とほぼ同文だが、神はすべて「神」と呼ばれ、5節が違う。14篇は貧しい者の避け所を語り、53篇は攻める者が恐れて崩れたことを語る。骨の言葉は残し、絵には空の陣営だけを置いた。

原典 World English Bible 詩篇53篇1〜6節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。畑で空に背を向けて束を抱え込む者、食卓でパンをむさぼる者と空のかごの人々、何も追わないのに逃げ去って空になった陣営、空き家の前の道に出てほうきを手に道の先を見る。骨や戦い、帰還の到来は描かない。文字は入れない。

① 「神はいない」と心で言う者たち。
② 善を行う者はいない。民をパンのように食う。
③ 恐れのないところで、彼らは恐れた。
④ 神が民を連れ戻すとき、ヤコブは喜ぶ。

原典 World English Bible 詩篇53篇1〜6節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇54篇 名によって救い、名に感謝する

命を狙う荒ぶる者を前に、神の名による救いを願う。「神は私の助け」と言い切り、進んでささげる供え物とともに、その名に感謝する。

四行詩

神よ、あなたの名によって私を救ってください
見知らぬ者が立ち、荒ぶる者が私の命を狙う
見よ、神は私の助け。まことによって彼らを滅ぼして
進んで供え物をささげ、あなたの名に感謝する。名は良い

この篇の言葉

あなたの名 荒ぶる者 私の助け 進んでささげる供え物

声の動き

名による救いの願い → 神は私の助け → 名への感謝

読むときの手がかり

表題はジフの人々の密告に結び付けるが、本文は場所も人名も語らない。7節は敵に対する勝利を見たと言うが、その中身は書かれていない。絵では敵の結末を描かず、感謝の供え物で終えた。

原典 World English Bible 詩篇54篇1〜7節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。峡谷の道でひざまずいて名を呼ぶ、入口で探す輪郭から岩陰に身をひそめる、岩にもたれて胸に手を当てる、峡谷の口から開けた谷へ穀物の鉢を運び出て感謝する。敵の結末や動物のいけにえは描かない。文字は入れない。

① 神よ、あなたの名によって救ってください。
② 荒ぶる者が、私の命を狙っている。
③ 見よ、神は私の助け。私の魂を支える方。
④ 苦難から救い出した方の名に、感謝します。

原典 World English Bible 詩篇54篇1〜7節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇55篇 敵ではなく、あなただった

鳩の翼で逃げ去りたいほどの恐れの中、裏切ったのは敵ではなく共に神の家を歩いた友だったと知る。叫びと祈りを重ね、重荷を主にゆだねる。

四行詩

鳩のように翼があれば、飛び去って休むのに
敵ではない、あなただった。共に神の家を歩いた友
その口はバターより滑らか、言葉は抜いた剣
生きたまま陰府へ、と叫び、なお私はあなたに頼る

この篇の言葉

鳩の翼 親しい友 バターより滑らか 抜いた剣 重荷をゆだねる

声の動き

逃げたい願い → 友の裏切りと叫び → 重荷をゆだねる

読むときの手がかり

罵ったのが敵なら耐えられた、と語り手は言う。15節の「生きたまま陰府へ」は親しい友に裏切られた者の叫びとして隠さず残した。結びで重荷をゆだねても、傷が癒えたとは書かれていない。

原典 World English Bible 詩篇55篇1〜23節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。夜の屋根で飛び去る鳩を見る、友と並んで神の家の門をくぐる、語る友の影が剣の形になる、夕暮れの門の脇に一人で座り重い袋を下ろす。剣や流血、友の死、和解は描かない。文字は入れない。

① 鳩の翼があれば、飛び去って休むのに。
② 敵ではない。あなただった、友よ。
③ 口はバターより滑らか。心は戦いだった。
④ 主は私を救う。重荷をゆだね、あなたに頼る。

原典 World English Bible 詩篇55篇1〜23節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇56篇 涙をあなたの革袋に

ひねもす呑み込まれそうな恐れの中で、恐れるときこそ頼むと繰り返す。涙もさすらいも数える神を思い、命の光の中を歩み出す。

四行詩

神よ、憐れんで。人がひねもす私を呑もうとする
恐れるとき、あなたに頼む。肉なる者に何ができよう
あなたは私のさすらいを数え、涙を革袋に納める
死から救われ、つまずかず、命の光の中を神の前に歩む

この篇の言葉

呑み込む 恐れるとき 涙の革袋 神は私の味方 命の光

声の動き

呑み込まれる恐れ → 恐れの中の信頼 → 命の光の中の歩み

読むときの手がかり

表題はガテでの捕らわれに結び付けるが、本文は場所を語らない。「怒って諸国の民を倒して」という願いも含む。敵が退く場面は描かず、敵の目が残る中を歩む姿で終えた。

原典 World English Bible 詩篇56篇1〜13節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。路地で物陰の輪郭に囲まれて身を縮める、足跡を見張られながら胸に手を当てる、岩棚の革袋に涙が落ちる、昼の石畳を踏みしめて歩む足もと(奥に見張る目)。捕らわれの場面や敵の退散、神の手は描かない。文字は入れない。

① 人がひねもす、私を呑み込もうとする。
② 恐れるとき頼む。神よ、怒って諸国の民を倒して。
③ 私の涙はあなたの革袋に、あなたの書に。
④ つまずかずに、命の光の中を歩む。

原典 World English Bible 詩篇56篇1〜13節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇57篇 私が夜明けを呼び覚ます

災いが過ぎるまで翼の陰に逃れ、獅子の中に伏す。それでも心は揺るがないと二度言い、楽器を起こして、夜のうちから夜明けを呼び覚ます歌を始める。

四行詩

憐れんでください。災いが過ぎるまで翼の陰に逃れる
獅子の中に伏す。その歯は槍と矢、舌は鋭い剣
心は揺るがない。竪琴よ目覚めよ、私が夜明けを起こす
神よ、天の上に高くあれ。栄光が全地を覆うように

この篇の言葉

翼の陰 獅子の中 槍と矢の歯 揺るがない心 夜明けを起こす

声の動き

翼の陰への逃れ → 獅子の中の危うさ → 夜明けを起こす歌

読むときの手がかり

表題は洞窟の場面に結び付けるが、本文は場所を語らない。災いが過ぎたとは書かれず、夜明けは語り手が歌で起こすと言うもの。絵では空を暗いままにした。後半は108篇の前半とほぼ同じ言葉。

原典 World English Bible 詩篇57篇1〜11節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。嵐の夜に大木の下へ身を寄せる、槍と矢の影を持つ輪郭に囲まれて伏す、起き上がって竪琴を抱える、大木の根もとで暗い東の空へ竪琴を奏でて歌う。翼や獅子、洞窟、日の出は描かない。文字は入れない。

① 災いが過ぎるまで、翼の陰に逃れます。
② 獅子の中に伏す。その歯は槍と矢。
③ 心は揺るがない。私は歌います。
④ 竪琴よ目覚めよ。私が夜明けを起こす。

原典 World English Bible 詩篇57篇1〜11節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇58篇 耳をふさぐ蛇

内容注記 神に敵の歯を折るよう願い、死産の子のたとえや血で足を洗う言葉が出る。絵には描かない。

黙って暴虐を量り与える裁き手を、耳をふさぐ蛇にたとえて問いただす。歯を折れという激しい呪詛を経て、地を裁く神は確かにいると結ぶ。

四行詩

黙る者よ、あなたがたは本当に正しく裁くのか
呪文の声も聞かず、蛇のように耳をふさぐ
神よ、歯を折ってください、日を見ない子のように消えよ
正しい者は血で足を洗うだろう。人は言う、地を裁く神はいる

この篇の言葉

黙る裁き手 耳をふさぐ蛇 歯を折る 日を見ない子 地を裁く神

声の動き

裁き手への問い → 呪詛の願い → 地を裁く神

読むときの手がかり

6〜10節は詩篇でも特に激しい呪詛。不正な裁きに踏みにじられた者の叫びとして言葉は隠さず、絵には描かない。裁きの実行は語られない。

原典 World English Bible 詩篇58篇1〜11節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。黙って並ぶ裁き手と傾いた天秤に問う、呪文使いから頭をそむけるコブラ、消える水と欠けた矢と蝸牛の殻の前で拳を握って叫ぶ、傾いた天秤を背に広い地を見すえる。血や子ども、報復の場面は描かない。文字は入れない。

① 黙る者よ、本当に正しく裁くのか。
② 蛇のように耳をふさぎ、何も聞かない。
③ 神よ、彼らの歯を折ってください。
④ 地を裁く神は、確かにいる。

原典 World English Bible 詩篇58篇1〜11節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇59篇 夕べの犬、朝の歌

罪もないのに狙われ、夕べごとに犬のように吠える敵に町を囲まれる。殺さないでと怒りで絶やしてを並べて訴え、朝には高い櫓である神の慈しみを歌う。

四行詩

わが神よ、敵から救い、高い所に置いてください
夕べごとに彼らは戻り、犬のように吠えて町をめぐる
殺さないで、民が忘れぬように。怒りで絶やして
朝には慈しみを歌う。あなたは私の高い櫓

この篇の言葉

夕べの犬 誰が聞くものか 殺さないで 高い櫓 朝の歌

声の動き

罪なき者の訴え → 夕べの犬と相反する願い → 朝の歌

読むときの手がかり

表題は見張られた家に結び付けるが、本文は敵を「諸国」とも呼ぶ。「殺さないで」と「怒りで絶やして」は矛盾したまま並ぶ厳しい願い。朝に歌っても、犬は町をさまよい続けている。

原典 World English Bible 詩篇59篇1〜17節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物。夕暮れの戸口で潜む輪郭を前に訴える、城壁沿いを吠えてうろつく犬を窓から見る、夜の櫓の石段を上る、朝の櫓の胸壁に手を置いて町を見下ろしながら歌い、下にはまだ犬がいる。敵の敗北や殺害、日の出の輝きは描かない。文字は入れない。

① 罪もないのに、私は狙われる。
② 夕べごとに犬のように吠え、「誰が聞くものか」と。
③ 殺さないで。怒りで絶やして。
④ 朝には慈しみを歌う。あなたは私の高い櫓。

原典 World English Bible 詩篇59篇1〜17節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。


詩篇60篇 地の裂け目をつくろって

神に捨てられ地を裂かれた共同体が、裂け目のつくろいを願う。聖所からの宣言を聞きつつ「捨てたではないか」と問い、神によって力をふるうと言う。

四行詩

神よ、あなたは私たちを捨て、怒り、地を裂いた
あなたはよろめかせる酒を飲ませた。地の裂け目をつくろって
モアブは足だらい、エドムに履物を投げる、と神は言う
人の助けはむなしい。神によって私たちは力をふるう

この篇の言葉

捨てられた民 地の裂け目 よろめかせる酒 足だらいと履物 人の助け

声の動き

捨てられた嘆き → 聖所からの宣言 → 問いと決意

読むときの手がかり

表題は戦いの勝利に結び付けるが、本文は神に捨てられた嘆きから始まる。モアブやエドムを現代の民族や国家に重ねない。勝利は描かない。後半は108篇とほぼ同じ言葉。

原典 World English Bible 詩篇60篇1〜12節
四行詩は原典を踏まえた創作。

読み順 左上①→右上②→左下③→右下④

墨と淡い灰色の四コマ。同じ人物と数人の人々。裂けた畑の縁でよろめく、無地の旗を掲げて寄り集まる、聖所で足だらいと履物の前にひざまずく、裂けた畑の縁から遠い城壁の町を望んで拳を握る。戦いや勝利、国の記号は描かない。文字は入れない。

① あなたは私たちを捨て、地を裂いた。
② 恐れる者に旗を。右の手で救い、答えて。
③ 神は聖所から言う、モアブは私の足だらい。
④ 神よ、捨てたではないか。人の助けはむなしい。

原典 World English Bible 詩篇60篇1〜12節
漫画は原典を踏まえた創作。台詞も翻案。